今季参戦5戦で2勝を挙げ、賞金ランクは5位とさすがの強さを見せているシン・ジエ。優勝したTOTOジャパンクラシックでも3日間を通してノーボギーで、その安定感はズバぬけている。
ラウンド数が少ないため部門別データはすべて参考記録だが、リカバリー律80.3030%で、参考記録ながら2位の古江彩佳に約5ポイント差をつけた圧倒的NO.1の数字だ。
では、そんなシン・ジエはどのように寄せているのか? 写真を見れば一目瞭然、めちゃくちゃボールの近くに立っている!
シン・ジエはパット時もボールの近くに立つ選手だが、アプローチでもこれだけ近く立つのはなぜなのだろうか?
「前提として、大きな構えで小さく打つのはミスの原因になります。距離に見合ったスタンス幅、ボールとの距離で構えるのがアプローチのコツ。シン・ジエ選手の構えはそのお手本といえます。手元と体が近いことで腕の軌道、クラブの軌道を安定させることにつながっています」(中村)
しかし、アマチュアゴルファーの場合、こんなにボールに近づいて構えたら、インパクト前にクラブがお腹に当たってしまうそうな気がする。そのあたり、どうなっているのだろうか?
「シン・ジエ選手の場合、ショットもアプローチも手首を使ってヘッドから始動する点が一貫していますが、注目してほしいのはダウンスウィングです。ヘッドから始動することで折れた手首をリリースすることなく、おへそをターゲット方向に向けるように、下半身を動かしています。これにより手元が先行してボールに当たりますし、手元と体の距離が変わらないので体にクラブが当たることも無論ないのです」(中村)
たしかに、シン・ジエのフィニッシュを見ると、小さな動きながらフィニッシュでは体がしっかりとターゲット方向を向いている。どんなにクラブと体が近くとも、体ごと動かせばつっかかるようなことはないわけだ。
小さい動きだからと、アマチュアはついつい手元の動きだけでアプローチしがち。シン・ジエをお手本に、ボールの近くに立って手首の動きでクラブを上げて、そのまま体の回転でとらえるアプローチ、ぜひ練習してみよう!