ゴルフをはじめるにあたり、独学で始めるゴルファーは少なくない。シングルプレーヤーでもあるゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロは、「できればレッスンを受けることを勧めたい」というのだが……その理由は?

「すぐ効く」レッスンと長期的視点でスウィングをよくするレッスンがある

ゴルフには無数のスウィングメソッドがあるものの、多くのゴルファーはレッスンなどを受けず、独学、我流でやる人が多い。ゴルフ雑誌は溢れているし、昨今ではYoutubeなど、ネットからいくらでも情報を得ることができるからだ。もちろん、費用面の問題もあるだろう。決して安くはないレッスンフィーを払うくらいなら、ラウンドを一回増やしたいという人は少なくない。

我流ではじめて、すぐに上手くなる人も入れば、なかなか上手くならない人もいる。

また、比較的、短い期間で100切り、90切りを達成したものの、その後、壁にあたって伸び悩む人も多い。筆者もそのパターンで、10数年の長きに渡って、停滞を余儀なくしたが、一念発起してレッスンを受けたことで、壁を感じることなく5下シングル入りした。その経験からすると、多くの方にレッスンを受けることを勧めたい気はしている。

先日、筆者は4人一組のチームスクランブル戦に出たのだが、その前の週にレッスンを受けたところ、「このタイミングで、レッスンはないでしょう!」とチーム仲間に怒られた。それはレッスンを受けた直後は、一時的にせよ、ゴルフの調子が悪くなるという認識が仲間にあったからだ。

これは本当で、ゴルフレッスンはある種の違和感との戦いでもある。今までと違う動きを身につけるため、違和感を感じながら練習するわけだが、これまでの動きと混乱したりして、スウィングはバラバラになり、ボールは当たらなくなる。それじゃ困ると、ボールに当てることに集中すると、いつのまにかこれまでの動きに戻っていたりする。

だから、レッスンを受けたあとは、ボールの行方は追わずに、カラダの動きなど、与えられた課題を反復練習して身につける時期が必要だ。チーム仲間が試合の前にレッスンを受けるなんて、と咎めるのも、そこに理由がある。

画像: レッスンにはふたつの種類があるという(撮影/有原裕晶)

レッスンにはふたつの種類があるという(撮影/有原裕晶)

そんな例をもうひとつ紹介しよう。

かれこれ25年も前のことになるのだが、筆者と同時期にゴルフをはじめた悪友がいる。それなりにゴルフに取り組み、まあ100は打たないかなという腕前で、調子がいいと90を切ってくる。アプローチが重度のイップスで、その問題は深刻なのだが、30ヤードくらい手前からでも、ゴロゴロとパターでピンに寄せたりするテクニックもあって、スコアをまとめるのが上手いプレーヤーという印象だった。

そんな彼が、コロナ禍で何を思ったのか、急に、週に何度も練習場通いをはじめるようになった。これまで受けたことがなかったというレッスンもその都度受けて、反復練習に勤しんでいたという。そして、練習の成果を試すべく、ひさびさにラウンドしたら、なんとスコアが130だったという。

四半世紀もゴルフをやってきて、一念発起して練習に励んだら、初心者のようなスコアになったという、なんとも笑えない話だが、レッスンにはそんな怖さもある。よくも悪くも、すでに我流で形ができてしまっているゴルファーには、正しいアドバイスも混乱の要因になるのだ。

一方、一度受けると、その場で結果が良くなるタイプのゴルフレッスンもある。

その時、悪くなっている部分を取り除くスタイルのレッスンだ。付け焼き刃とか、バンドエイドレッスン(※応急処置的な意味で)などと、悪口を言われることもあるが、こういう微調整は即効性が高く、意外と重宝するものだ。根本的な悪癖は治らず、改めてレッスンのご厄介になることもあるだろうが、それを繰り返していくと少しずつ向上していくケースも多い。

つまり、ゴルフレッスンには、とりあえずその時の不調を直したいときと。根本から悪癖を治したり、スウィングの土台を作りたいときの2種類があるのだ。

これからレッスンを受けて上達したい、と考えているゴルファーは、そのあたりの課題を間違えないように、コーチと相談してみるのがオススメだ。すぐにでも結果がほしいときに、グリップを直されたりすると、その違和感だけで慣れるのに時間がかかってしまいそうだ。

無論、これらを両立出来るコーチもいるだろう。最近は、新たにゴルフを始める人が増えてきているが、我々のような低迷時代を経験することなくゴルフを楽しむためにも、定期的にレッスンを受けることをやはりおすすめしたい。

蛇足だが、件の悪友は「言い訳は色々あるが、四半世紀ゴルフをやってきて、腐らず投げ出さず、130でホールアウトした自分をまずは褒めたい」と宣(のたま)っていた。スコアはともかく、この前向きさはゴルフ向きだと思う。結果にこだわらず、上達の過程を楽しみながら、明るく取り組みたいものだ。

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