国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」の初日、6アンダーでトップに立ったのは重永亜斗夢。その重永を3打差で追う12位タイグループに、先週優勝争いを繰り広げたアマチュア・中島啓太がいる。弱冠ハタチながらプロに混じって堂々たる戦いを見せる中島のプレーに、プロゴルファー・中村修が注目した。

今年「ダンロップフェニックス」はコースセッティングに大きな変更点がありました。例年100ミリに設定されていたラフの長さが35ミリと短く刈られているのです。このラフが短いことで、フェアウェイから少し曲げたボールはグリーンを狙って打てますが、跳ね方によっては林まで転がり込むこともあります。

例年は深いラフが球を止める役割を果たしていたのですが、その効果が薄れたことで落下角度の浅いランで距離を稼ぐタイプの選手にとってはデメリットになりかねません。グリーンのスピードは例年通り速く傾斜も効いていますので、グリーンを外す場所、ピン近くに寄せたとしても難しいパットが残る難易度の高いセッティングに変わりはありません。

ただ、初日は風も穏やかで半袖でプレーできる天候だったこともあり、好スコアが続出したようです。その中で先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でもトップと2打差の3位と、優勝争いを繰り広げたアマチュアの中島啓太君に注目しました。

画像: 首位と3打差の12位タイで初日を終えた中島啓太(写真は2020年のダンロップフェニックス 写真/姉崎正)

首位と3打差の12位タイで初日を終えた中島啓太(写真は2020年のダンロップフェニックス 写真/姉崎正)

2000年生まれの日本体育大学の2年生。数年前からツアーに出場する際には話を聞いていましたが、身長も伸びたと同時に飛距離も伸びてきて、体もしっかりとしてきています。さらにナショナルチームでの経験も生かし、総合力の高いプレーヤーへと成長しています。

ダンロップフェニックスでも、初日から4バーディ1ボギーの68(パー71)と好スコアを叩き出し、首位と3打差の12位タイにつけています。

ラウンド終わりの会見では練習ラウンドでは自分の曲がる傾向を考慮して、グリーン周りのアプローチも入念にチェックして本番に備えていたと話しました。漠然とした準備ではなく、自分のミスの傾向を把握し、それを考慮して準備しておく。このあたり、ゴルフ脳の高さを感じます。

初日のスタッツをみると、フェアウェイキープ率は57.14、パーオン率は66.67とまずまずといった数字に過ぎません。1/3のホールでパーオンを逃しながらボギーをひとつしか叩いていないのは、外してはいけないほうに外していない、しっかりとした戦略を感じさせます。

そして、彼にはもうひとつモチベーションがあります。それが、世界アマチュアランキングの順位です。というのも、昨晩発表になった世界アマチュアランキングで、彼は3位にランク。今年プロ転向した金谷拓実選手が到達した、「1位」も視野に入っているのです。

「(アマチュアランク)5位か4位には入れるかなと思っていましたが3位になったので興奮しました。今週、上位に絡む成績だと世界アマチュアランキング1位というのも見えて来るのは嬉しいので、世界アマチュアランキング1位と優勝目指して頑張ります」(中島啓太)

「優勝」という言葉も、十分現実的と言っていいでしょう。優勝と世界アマチュアランキング1位の両獲りを狙う中島啓太君のプレーに引き続き注目したいと思います。

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