「マスターズ」を制した世界ランク1位のジャスティン・ジョンソン(DJ)は、パッティング時に右手で左腕を抑える動作を必ず行なっていた。あの動作にはどんな意味がある?プロゴルファー・石井忍に聞いてみた。

右手だけでパターを持ち、左手は右腕に添えるようにして素振りをしていたDJ。あの動きにはどんな意味があるのだろうか。プロゴルファー・石井忍はこのように解説する。

「人間の手は器用ですが、パッティングのときはあまり器用に使うべきではありません。DJが行っていたルーティンはまさに右手(の感覚)を鈍く、曖昧にし、体の大きな筋肉でストロークするように、感覚を再確認させているのだと思います」

このようなストロークの前に必ず行う一定の動作は「プレショットルーティン」と呼ばれるもので、DJと形は違うものの、多くのプロゴルファーが行なっているもの。石井は、それにはふたつの理由があるという。

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「プロがルーティンを取り入れる理由は大きく分けて2つあります。まず1つ目はアドレスをとってからスムーズにストロークに移れるようにするため。そして2つ目は自分の悪い癖が出ないようにショット前により強く意識付けをするためで、DJがパッティングする前に取り入れていたのは後者ですね」

しかし、その一方でアマチュアゴルファーは“プレショットルーティン”が定まっていないことがほとんどだ。ゴルフ場では球を打つことで頭が精一杯になってしまってルーティンどころではないというのが正直なところかもしれないが、石井氏は「アマチュアゴルファーも取り入れるべき」だと話す。

画像: マスターズを制したダスティン・ジョンソン(写真/2020 Masters Tournament)

マスターズを制したダスティン・ジョンソン(写真/2020 Masters Tournament)

「ルーティンは人様々でこれがオススメ!というものはありませんが、時間を決めてやるといいと思います。ルーティンは時間を決めないと長くなってスロープレーにつながり自分にも周りも良くないため、30~40秒以内で打つと決めて、その中でルーティンを取り入れてみてはいかがでしょうか。プロのルーティンを真似しながら、動画に撮っておくことで自分にとってベストなルーティンを見つけられるかもしれません」

プロの試合中継を観ていると、パッティングのアドレスに入るときに左肩を右手で背中側に押すことでスクェアに構えられていることを確認する選手もいれば、素振りをターゲットに対して正面に立ってやることで距離感をイメージする選手、ラインに平行に立って素振りして、転がりをイメージする選手とプロでも形は異なる。ラインか、距離感か、セットアップか。気になる点を一点決めて、それを補うようなルーティンを18ホールを通じて実行できることを意識しながらラウンドしてみると、その効果が実感できるかもしれない。

ルーティンを決めることで、スムーズにスウィングへ移れるし、雑念が入りにくくなりメンタル面も安定する。みなさんも自分のルーティンを見つけてみてはいかがだろうか。

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