カミロ・ビジェガスを覚えているだろうか? グリーンを読むときの「スパイダーマンポーズ」で日本でも話題となったコロンビア人プロだ。そのビジェガスが今週のPGAツアーで初日首位発進。その背景には、亡き娘への思いがあった。
カミロ・ビジェガスに悲劇が訪れたのは今年の7月のこと。がんのため、生後わずか22カ月の娘、ミアちゃんを亡くしていた。
その後9月にはじまった2021年シーズンのビジェガスは、5試合に出場して3戦で予選落ち。それも直近7ラウンドでは60台のスコアが一度もなく、マスターズ前週のヒューストンオープンでは2日間11オーバーで予選落ちしている。
そんなビジェガスは、初日の朝、トーナメント会場のドライビングレンジで虹を見たのだという。
「娘は虹の色が大好きだった。それを見たのは、1日をはじめるにはいいことだと思ったんだ」
ビジェガスのキャップには虹のリボンが付けられている。虹が大好きだったミアちゃんを偲んでのことだ。トーナメント会場に現れた虹。それを目にしたビジェガスは、当然のことながらミアちゃんのことを考え、自然に微笑みが浮かんできたという。
「ミアのことを考えて、こう言ったんだ。“いい1日にしよう“って」
そしてビジェガスは6バーディ、ノーボギーの見事なゴルフを展開。マット・ウォレスと並んで首位タイで初日を終えて見せた。
「彼女と一緒ではないけど、同時に彼女と一緒なんだ」と語るビジェガス。輝く虹のその先にある、6年ぶりの勝利はつかめるか。