大王製紙エリエールレディスは古江彩佳が通算15アンダーで優勝を果たした。これで古江は先週の伊藤園レディスに続く2週連続優勝、今季3勝目を挙げた。
驚くような飛距離があるわけでもない。アイアンが毎ショットビタビタつくわけでもない。身長だって153センチ、女子プロの中では小さい部類に入る。それなのに、強い。今日本でもっとも強い女子プロの一人と言ってもいいくらい、強い。古江の強さはなんなのか? それは、自他ともに認める“安定感”にある。
優勝争いを演じた笹生は「何かが特別上手いというわけではない。古江さんは全部上手い。だから強いんだと思います」と話す。最終日同組で回った菊地絵理香も「勢いだけでやっている感じがしないですね。気持ちも強く、それでいて落ち着いている。ショットもパットも完成度がとても高いんだと思います。一緒に回ってわかりました。古江さんは隙がないです」と脱帽した。
さらに、予選二日間同組で回った渋野日向子も古江の安定感に舌を巻く。
「アイアンのコントロールが上手い。次のパットやアプローチが難しくなるような“飛んではいけない”ところには絶対にいかない。まぁ、アイアンだけでなく、トータルのレベルが高いですね」(渋野)
ライバルたちがお手上げ状態の古江の安定感。本人も「何が得意っていうのはないんです。でも、苦手なものがない。そこが私の強みだと思っています」と、安定感を強みだと話している。さらにもうひとつ、古江の強さは“試合を楽しむこと”にもある。
「最終日は優勝がかかっていましたが、とにかく楽しもうと思ってプレーしていました。私の場合、楽しむことでショットに集中できるようになるんです。集中できているときは、楽しめている証拠です」(古江)
ときには、練習ではやっことないようなライから、やったことのない打ち方で寄せる。
「いろんなことを試さないと成長がないので。やってみるしかないんですよね」とあっけらかんと答える。試合を楽しんでいないととてもできることではない……。
楽しむことについて、上田桃子は次のように話す。
「今の若い子は本当に楽しみながら試合をしていますよね。私はそれがすごいと思う。私の場合はどうしても“試合を楽しむ”という感覚になれないんですけど……決して楽しむことがすべてではないと思いますが、見ていて気持ちいですよね。羨ましくもあります(笑)」
試合中、決して険しい表情を見せない。キャディさんともたくさん会話をしている。こちらから見ていても、それこそ楽しんでプレーしているように見える。安定感に加え、気持ちの“強さ”も持っている古江。来週のリコーカップ、3週連続優勝は十分にある。