もはやアメフトプレーヤー並み!? デシャンボーのトレーナーが語る肉体改造の成果

NFLプレーヤーが行う102キロのベンチプレスも楽々こなす

「デシャンボーの偉大な点のひとつは、絶対にベンチプレスやスクワットのような多関節運動に手を出さなかったことなんだ」

そう語ったのは、PGAツアーが配信するポッドキャストに出演したデシャンボーのトレーナー、グレッグ・ロスコフ氏。

ロスコフ氏が語った多関節運動とは名が表す通り2つ以上の関節を動かす運動のことで、デシャンボーが行っていたのはそれと対をなす単関節運動、つまり1つの関節だけを動かす筋トレ。たとえば片手でダンベルを持ち上下に動かすダンベルカールは、肘の関節のみが動く単関節運動にカテゴライズされる。

多関節運動が多くの筋肉を同時に鍛えることができるのに対し、単関節運動は特定の筋肉を集中して鍛えることができる。つまりデシャンボーの肉体は、ゴルフに必要な部分のみを部位ごとに鍛え上げた結果と言える。

その結果今季平均飛距離337.8ヤードをマークしツアーナンバー1の飛ばし屋となったデシャンボーだが、3週間前のマスターズの直前、ロスコフ氏に対してこんな質問を投げかけてきたという。

「好奇心から彼は、多関節運動をこなす人と比べて『自分がどれくらい強いのか？』ということを知りたがっていたんだ」（ロスコフ氏）

要は単関節運動のみで鍛え上げる自分のやり方が正しいのか、再確認をしたかったわけだ。そうしてNFLのプレーヤーたちが225ポンド（約102キロ）のウェートを使ったベンチプレスを繰り返し行っていることを知ると、さっそく挑戦。初めてのベンチプレスで挑戦した重量は295ポンド（約134キロ）。アメフトプレーヤーがこなす102キロのウェートも難なく10回連続で上げ下げしたのだという。

「単関節運動で力をつけてきたからこそ、それが複合的な動きにつながったんだ。彼のゴルフを見ていると、ヘッドスピードやボール初速にその成果が表れているよ」（ロスコフ氏）

文字通りアメフトプレーヤー並み、もしかするとそれ以上の肉体を手にしたデシャンボー。それにしても、自身の筋肉さえもパーツごとに区分して鍛え上げるとは、いかにも“ゴルフの科学者”らしいアプローチではないだろうか。