水切りショットに挑戦したのは、ステップ・アップ・ツアー2勝のプロゴルファー・大谷奈千代。きっかけは、ラームのホールインワンだ。
「ラームさんの“水切りホールインワン”を見て私もやってみたいな~と思ったんですよね。それで選手たちがマスターズの水切りショットしているところをよく見ると、左足下がりで、みんなロフトが立っているアイアンを使っていますよね、私もこの2つの条件を真似して”水切りショット”を試してみたんです」
実は、マスターズでの水切りショットを狙うとき、選手たちはティーイングエリアから打っていない。ティーイングエリア前方の左足下がりのライ、そこから打っているのだ。16番は170ヤードとさほど長くないパー3だが、打ち出しをマイナスにするため長い番手のアイアンを使うのも“基本”だ。
ちなみに大谷は5番アイアンを持って、40~50ヤードくらいの”水切りショット”を試したのだそうだ。
「正直難しいです。最初はダウンブローに打ち過ぎてダイレクトに池に入れてしまいましたし、(水切りを狙っているのにも関わらず)池が怖くて球を上げようとしちゃったり、謎のメンタルが出てきてしまうんですよ(笑)」
ゴルファーなら本能的に池にボールを入れるのを嫌がるもの。水切りショットを狙うと決めても、その本能が顔を覗かせてしまうようだ。それでも3球目で“水切りショット”を成功させたというのだからさすがはプロ。というわけで、(試す、試さないは別として)もし水切りショットに挑戦するとしたら気をつけるべきことを教えてくれた。
「まずは池を怖がってボールをすくい上げないこと。あとはイメージがとても大事なので、子供のころに石を使って川で水切りした感覚を思い出してもらって、とにかく低くボールを打ち出すイメージで打ってみるといいと思いますよ」
いつもなら絶対にやることのない”水切りショット”だが、「池が手前にあって、ライが左足下がりだったらアマチュアの方もワンチャンあるかもしれないですよ(笑)」と大谷。
ボールとスコアを失う危険性は極めて高いと言わざるを得ないが、ゴルフ人生で一度体験してみても面白い……かもしれない。