練習場では完璧に仕上がったはずが、翌日のコースでは別人のようにミス連発。誰もが経験するゴルフあるあるだが、これは一体なぜ起こるのか? その原因を「考えてしまうこと」だという関東在住匿名5下シングル氏に、考えないためのコツを聞いた。

練習場で、「右足の内側で体重を受け止めること。それと、切り返しのタイミングだけ気をつければ必ずナイスショットになる!」みたいな、そういう確信が得られることってありますよね。「これさえ忘れずにいれば明日はナイスショット連発だ!」と。ところが翌日コースに出ると、同じことに気を配っているはずなのに結果は逆で、ミス連発。一体なんでこうなっちゃうんでしょうか。

この理由は、コースだと練習場とは違う情報が大量にインプットされるからです。風、同伴競技者の目線、OB杭や池、上手く打てるだろうかという不安感。それらの情報が、「右足の内側で云々」に加わってしまい、つまり考えることが多くなりすぎて、体がスムーズに動かなくなってしまうわけです。

画像: ラウンド中は「どう打つか」ではなく「どんな弾道を打つか」だけを考えたほうが結果は良くなるかも……?(撮影/渡辺義孝)

ラウンド中は「どう打つか」ではなく「どんな弾道を打つか」だけを考えたほうが結果は良くなるかも……?(撮影/渡辺義孝)

たとえば野球なら、バッターはピッチャーがどんな球をどのコースに投げてくるかわからない状況から、瞬時の判断でスウィングしますよね。サッカーなら、目の前にいるディフェンダーに対し、ドリブルで仕掛けるか、パスを出すか、これまた瞬時に判断を下して体を動かします。打者は150キロのストレートを前に「右ひじを絞って右手首の角度を変えないようにダウンスウィングしよう」なんて考えないですし、サッカー選手は「右脚を腰まで振り上げてインサイドアウトにキックしよう」なんて意識してるはずないですよね。意識せず、反射的に行動しているからこそ、運動能力を最大限に発揮できる。

一方、ゴルフの場合スウィングを始動する前の“きっかけ”がありません。向こうから飛んでくるボールもないし、目の前に立ちふさがるディフェンダーもいませんから。だからこそ、右足の内側で体重を受け止めて、切り返しでは左足つま先体重を乗せ、インパクトまで右手首の角度を変えないようにしよう、みたいな、余計なことを考えてしまうんです。ふたつくらいは考えてもいいよね? ひとつくらいは絶対必要でしょ? と思うかも知れませんが、ひとつも考えないほうがいいです。考えるだけ、人間が本来持っている運動能力は確実に低下すると私は思います。

「じゃあどうすればいいんだ」です。「考えないようにしよう」と言うのは簡単ですが、それを実行するのは極めて難しいですよね。私が実践しているのは、体の動きやスウィング以外のことに意識を向けることです。具体的には、打ったあとの弾道にだけ意識を向けるようにします。左のバンカー方向に打ち出してフェードを打とう! と決めたら、その弾道を強く脳内にイメージし、そのイメージを持ち続けたままスウィングするわけです。

もちろん、その通りの球が打てることなんてマレです。でも、少なくとも、「右足に体重を乗せて……」とやるよりはミスの確率を減らすことができます。アプローチでも、どう打つか、よりもどこにどう落としてどう転がって寄るか、そこだけを意識したほうが結果は良くなります。ゴルフは運動です。頭のなかにため込んだ知識やノウハウを一旦捨てて、身体感覚を活かしたプレーを試してみてはどうでしょうか?

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