渡邉彩香 115位→5位
今シーズンの成績と昨シーズンの成績を比較して、もっとも数字のギャップが大きいのが渡邉彩香だ。昨シーズンは賞金ランク115位だったが、今シーズンは開幕戦となったアース・モンダミンカップで涙の復活優勝。その一回に留まらず、その後も予選落ちはわずか2度。シーズン2勝目はならなかったが、3度のトップ10入りを果たして賞金ランクは堂々の5位。
昨シーズン30試合に出て23試合で予選落ちを喫した渡邉だったが、今年は見事な活躍。前年よりも実に110も良い順位で2020年の戦いを終えている。
木村彩子 74位→14位
渡邉の次に賞金ランクトップ20位以内の選手で昨年と今年の順位に差があるのは賞金ランク14位につけている木村彩子だ。賞金ランク77位だった昨年は棄権した1試合を含めて11試合つづけて予選ラウンドで姿を消すという苦しみを味わったが、72.8594だった平均ストロークが72.0246 と1打近くも改善。結果、14試合で予選落ちはわずかに2度、「日本女子プロ」の2位タイを含むトップ10に2度入っている。
ツアー未勝利の選手のなかでは最上位につけており、2021年の初優勝がもっとも期待される選手と言っていいところまで調子を上げてきた。
古江彩佳 54位→2位
数字の上で、渡邉、木村に次いで順位を挙げているのがプラチナ世代の古江彩佳で、昨年54位から今年は3勝を挙げて賞金ランク堂々の2位につけている。
とはいえ、昨年の古江はアマチュア優勝を機にプロ転向、54位はその後のわずか4試合での順位なので、他の選手とは事情が異なる。昨年その片鱗を見せた実力を、今年は遺憾無く発揮しているといったところ。フルシーズン参戦初年度から賞金女王争いに挑む活躍で、2021年シーズンはオリンピック出場までも視野に入る。
古江をイレギュラーとするならば、永峰咲希(45→6位)、酒井美紀(44位→11位)、イ・ナリ(53位→13位)といった選手たちが大きく順位を上げている。ハタチ前後の若手の活躍が目立つなか、中堅〜ベテラン域の彼女たちの昨年を大幅に上回る活躍がツアーに厚みを加えている。
ルーキーイヤーで大活躍、笹生優花と西村優菜
もちろん、昨シーズンのプロとしての実績が「ない」選手、つまりルーキーの大活躍も見逃せない。シーズン2勝の笹生優花は堂々の賞金ランクトップ、初優勝を果たした西村優菜は7位と、ルーキーながら見事な戦いを見せている。
2021年はどんな選手が復活し、どんな選手が新たに輝きを放つのか。新たな年の戦いが始まる日を、しばし楽しみに待ちたい。