みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕は雑誌に書いてあるレッスンや練習方法なんかをいろいろと試してみているのですが、実はギアも大好きで、いろいろなクラブを試したりもしています。そんな僕がやっぱり気になるのは、プロが結果を残しているクラブ。プロが使っているから僕にも良いとは限らないのですが、やっぱ気になります。
月刊ゴルフダイジェスト1月号に「乙女をつなぐ勝利の架け橋。」という記事が載っていて、女子ツアーでちょっとしたブームとなっているテーラーメイドのトラスパターのことが紹介されていました。なんでも2020年シーズンで永峰咲希プロと稲見萌寧プロの二人が勝利を挙げているパターだっていうじゃないですか。これはめちゃ気になるので、さっそくお借りしてコースで使ってみました!
そもそもトラスパターのトラスっての橋などの建造物の耐久性を上げるために用いられるトラス構造のこと。そのトラス構造をネックホーゼル部分に採用することで、ストローク中のねじれを抑制し、なおかつミスヒットのときの安定性も生み出しているらしいんです。
実はこのトラスパター、あのダスティン・ジョンソンのために作られたものなのだとか。ダスティンはブレード型のパターが好きで使っていたんですが、高慣性モーメントで直進性の高いマレット型を使っているときのほうが成績が良かったらしいんです。そこで見た目がブレード型でマレットのような高慣性モーメントのパターが作れないかと開発したのがトラスパターなのだとか。ピン型とマレット型のいいとこどりなパターってことですね。
お借りしたのはピン型のヘッドにトラスホーゼルネックを搭載したTB1トラスヒールパターとセンターシャフトのTB2トラスセンターパター。優勝した永峰プロと稲見プロが使っていたのはTB1です。
そのTB1から打ってみましたが、まず構えた感じ、トラス構造の特徴的なネックはほとんど気にならす、ほぼ普通のピン型パターに見えます。ストロークしてみると、ヘッドが軌道がストレートに動きやすく感じました。ピン型のパターは基本的にはイントゥインの軌道で、ヘッドが開閉しやすいのですが、このTB1は真っすぐにヘッドを動かしやすくなっています。
そのためか目標方向に真っ直ぐボールを打ち出しやすい気がしました。そして、打点が多少トウやヒール側にぶれても、ほとんど方向性が狂うことなく直進性が高かったです。見た目よりも優しいパターという印象でしたね。
そしてセンターシャフトのTB2。こちらもパターヘッドの形状は少し特徴的な形ですが、構えてみるとほぼ普通のセンターシャフトパターのように見えます。
センターシャフトはもともとストレートにヘッドを動かしやすい形状なのですが、打点がズレたときにヘッドが回転してしまい、打ち出し方向が悪くなったり、転がりが悪くなるということが起こります。このTB2はかなりミスヒットに強くなっていると感じました。やはりトラスネックのおかげでしょうか、わざと芯を外して打ってもヘッドが安定したままです。
そしてこのTB2の特徴的な部分がもうひとつ。普通のセンターシャフトパターはシャフトよりもフェース面が左側にあるのですが、このTB2はほんの少しだけオフセットされているんです。
そのせいかほんの少しですがボールの捕まりがよく感じるんですよね。あまりセンターシャフトでオフセットのあるモデルって見たことないのですが、僕はかなり気に入りました。TB2で優勝しているプロはまだいないようですが、テレビで試合観戦をしていたら、ジョン・ミジョンプロや永井花奈プロが使っていたようです。
両モデルとも打感がとても良くて、柔らかいながらしっかりと打った感触が手に伝わるんです。なので距離感も出しやすい。そしてフェース面のピュアロールインサートのおかげか転がりがかなり良い。スムーズに順回転になるような感じで直進性が高い。実際にラウンドでも1メートル前後の真っ直ぐのラインがかなりの確率で入りました。これって本当にありがたい。
TB1とTB2を比べると個人的にはTB2のほうがトラスネックの恩恵をより多く受けているような気がします。ただやはりセンターネックがあまり得意じゃない人もいるでしょうし、ピン型のパターを使っている人であれば、同じような形状のTB1のほうが使いやすいでしょうね。
トラスパターを使ってみて、やっぱりプロもミスヒットに強い優しいパターを求めているんだということが分かりました。もちろん直進性の高さやミスヒットに対する強さというのはアマチュアゴルファーの僕達にも本当にありがたいですよね。見た目があまり格好良いとは言えない形状なのがちょっとだけ残念ですが、パターは入ってナンボです。ぜひ皆さんも一度試してみてください。