慣れないうちは上半身と下半身を分けて前傾姿勢を作ろう
「ナイスショットの7割はアドレスで決まると言われていますし、スウィングの調子が悪くなった時にはアドレスを確認することで調子を取り戻すこともできます。そんな大事なアドレスですから、作り方の基本をしっかりと身に付けておきましょう」(笹原、以下同)
アドレス作り方の基本的な流れは【1】スタンス幅を決める、【2】前傾姿勢(上半身)を作る、【3】前傾姿勢(下半身のセット)、【4】グリップを決める、の4つだと笹原。それぞれ順に解説してもらおう。
「まずスタンスは両足を肩幅程度に開くのが基本です。スタンスを決めたら前傾姿勢を作っていくのですが、基本の姿勢を覚えるために上半身と下半身を分けて説明しますね」
上半身に関しては「太もものつけ根の部分の鼠径部(そけい部)に両手を当て、この部分から体を前に倒していきます」と笹原。この鼠径部から体を倒す意識が重要だという。
「鼠径部から前に倒す意識を持たないで上半身を前傾させようとすると、猫背になったり、深い前屈みになってしまい、ミスショットや体の故障にもつながるので注意してください。かかとから数センチほど離れたところに壁があると想定し、その壁にお尻が触れるところで前傾をストップさせると、そこが適正な前傾角度になりますよ」
続いて前傾姿勢を作る際の下半身のポイントも教えてもらおう。
「まず両ひざを脱力させて少し曲げます。この時に太腿の前の部分が力まないようにしてください。ももの前側に力が入るとスムーズにスウィングができなくなります。ひざを曲げて下半身をセットしたときに、太腿の裏やお尻の筋肉の内側に力が入るように構えられるとスウィングが安定します」
まずは正しい前傾姿勢の基本を作れるよう、上半身の形を作ってから下半身、というように部位ごとに姿勢を作っていくのがオススメだというが、それに慣れてきたら「次に紹介する方法で前傾姿勢を作ってみてください」と笹原。
「直立した状態で鼠径部から上半身を前傾させていき、倒れそうになる直前で前傾を止めます。こうすると体重はつま先寄りにかかっているのが分かります。そうしたら次に、ひざを軽く曲げていくと、つま先寄りにあった重心が足の真ん中の土踏まず辺り戻ってきます。この土踏まずに重心が落ちた状態が、丁度良い前傾姿勢と膝の曲がり具合になります」
構えを作ることができたら、最後はグリップ。クラブの握り方についてはゴルファーごとに合う合わないがあるが、共通して「グリップの手元の位置と体の距離に注意してください」という。
「前傾姿勢を作ったら、両腕をダランと下に垂らし肩の真下でグリップをします。このグリップの位置が体から近すぎたり、遠すぎたりすると、スウィングの軌道が変わりミスの原因になるので気を付けてください」
これらはもちろんあくまでアドレスの基本。「自分の体型などによってアレンジを加えて自分なりにしっくりするアドレスを作ってみてください」と笹原も言うが、一方で「スウィングの調子が悪くなった時に、戻る基本があると調子を戻すことも割と簡単になったりするので、この『アドレスの基本』をしっかりと覚えておきましょう」と念押し。
初心者はもちろん、ある程度ゴルフに慣れた人も、笹原の教えを参考にアドレスの基本をしっかり身につけておこう。