欧州ツアーのYouTube公式チャンネルではトーナメントのハイライトに加え、ヒッコリークラブチャレンジや、左利きチャレンジ、200ヤードパットに挑戦など、ユニークな動画が投稿されている。9月末にアップロードされた「キッズクラブチャレンジ」動画もそのうちの一つで、動画冒頭にはこんな字幕が。
「欧州ツアーのプレーヤーは平均7歳で初めてクラブを手に取っている。でも、最初のクラブはまだ使えるの?」
ということで検証のため、欧州ツアープロ多数参加のニアピン対決が勃発。舞台となったのはアイリッシュオープンの開催コースであるガルゴルムキャッスルGCの7番ホール、159ヤードのパー3だ。
用意されたクラブは7番アイアンとドライバーの2番手だが、いずれも7歳のジュニアゴルファーに合わせた仕様。ドライバーでも地面に立てて腰に届くかどうかのクラブ長で、7番アイアンも大きく屈まないとアドレスさえ取れない短さ。
多くのプロは7番アイアンを選択。ティアップで調整しつつ、大きく膝を曲げた慣れないアドレスからでもきっちりボールを捉えて打っていく辺りは流石プロと言ったところだが、やはりキッズクラブでグリーンを正確に狙うのは至難の業。
ツアー6勝のユースト・ラウテンも7番アイアンを選択して打つものの、グリーン右側に外してしまう。長さの問題はもちろんシャフトも当然かなり軟らかく、ラウテンは「なんだこのシャフト、(しならせながら)……折れそうになった」とコメント。ツアー3勝のニコラス・コルサーツも7番アイアンで打つも「あぁダメだ! シャフトが弱すぎるよ」と大きく右に打ち出してしまう。
一方「長いほうが打てるでしょ」とドライバーを選択したのはツアー2勝のファブリシオ・サノッティだが、真っすぐ打ち出された打球は途中で大きく流れるスライス球に。
「打てるかどうかわからないな」と言うツアー1勝のライアン・フォックスは、7番アイアンで右に打ち出し、コース中腹の端に待機していたスタッフめがけて飛ばしてしまう。幸いにも事故は起こらなかったが「危うく殺すところだったよ!」。2019年の全英オープンを制したシェーン・ローリーもニアピン対決に参戦したが、7番アイアンでグリーンを捉えることはできなかった。
そんな中、グリーンオンに成功した選手も。2017年にプロ転向した26歳、アドリ・アーナスは7番アイアンで見事グリーンをとらえピンまで10フィートの位置に。
「私が5歳のときのクラブよりさらに長いよ」と言う33歳のナチョ・エルビラもキッズアイアンを使いこなし、わずかに右に打ち出て左に帰ってくる理想的なドロー弾道を披露。残り8フィートに付ける。
ツアー2勝のルーカス・ビェルレガードが7番アイアンで着弾後にスピンバックし残り3フィートに付けるが、それをさらに上回りニアピン対決を制したのはウィル・ベセリン。ベセリンが7番アイアンで放ったショットはドロー弾道でキレイにピンを捉え、着弾後2バウンド、ピンまで残り1.5フィート地点でピタッと止まるスーパーショットを見せた。
今回のキッズクラブチャレンジ動画では弘法筆を選ばずを体現したベセリン。冒頭でも紹介したように、欧州ツアーのYouTube公式チャンネルでは他にもユニークなチャレンジを行う動画も投稿されているので、ツアープロたちが真剣にふざけながら楽しむ姿を見たい方はチェックしてみると良いだろう。