渋野日向子が首位と1打差の2位タイでフィニッシュ
テキサス州チャンピオンズGCで開催中の全米女子オープン。開催予定の6月から12月へ延期となったことで日没を考慮しジャックラビットコースと、サイプレスクリークコースの2コースを使って予選ラウンドは行われます。各国で開催される全米女子オープンの予選会が中止になったことで世界ランク上位の資格が適用され日本勢は19名の出場となりました。
現地の天候は晴れ、気温22度、南南西の風6メートルというコンディション。両コースともグリーンはバミューダ芝で硬く12フィートと高速。8月は35度、1月には15度程度になるというテキサス州も冬のためラフは短いです。
6700ヤードを越える距離のあるサイプレスクリークコースのインからスタートした渋野日向子選手は、ドライバー、アイアンともに絶好調でまるで簡単なコースをプレーしているかのように、バーディチャンスを量産します。バミューダ芝のグリーンは芝目もあり読みにくいようですがタッチは合っていました。
13番でバーディが先行すると14番でボギーを打つも好調なショットに支えられバーディパットを外しながらもパーを並べパープレーで折り返します。後半の1番でバーディを奪うと5番、6番と連続バーディとスコア伸ばし最終9番のパー5もあと一転がりでバーディというパットで3アンダーでホールアウトします。
フェアウェイキープ率は85.71%(5位タイ)、パーオン率は83.33%で2位タイと国内で調子を上げていましたがその通りの内容で「100点以上」と評価しました。初日のプレーを見て9月、10月の米ツアー参戦の経験が生きていると感じました。非常に落ち着いていつも通りのプレーができていましたし、芝の違いやピン位置、グリーンの傾斜、距離の長さ、米ツアーの選手とプレーすることに慣れていたことはプラスに作用したと見えました。
一方、同じくサイプレスクリークCをプレーし最終ホールを3パットのボギーとし2アンダー5位タイで終えた笹生優花選手。過去にアマチュアで全米女子オープンには出場したことがあるとはいうものの、ルーキーらしからぬプレーぶりで飛距離をアドバンテージに硬いグリーンでもピタッと止まるアイアン、アプローチ、パッティングと米ツアーの選手となんら遜色のない姿を見せてくれました。育ったフィリピンでも同じ芝質を経験していることもあるでしょうし、言葉も不自由ないこともプラスに働いたことでしょう。
そしてジャックラビットコースをプレーした世界ランク7位の畑岡奈紗選手。時折左右に散らばるショット内容でしたが厳しいパーパットを決めたり、池に入れた後の寄せでチップインパーで切り抜けたりと崩れないゴルフでイーブンパー24位タイで終えています。最終日に向けて尻上がりに調子を上げてきそうな雰囲気です。
2オーバー55位タイグループに稲見萌寧、西村優菜、比嘉真美子、高橋彩華、河本結、3オーバー75位タイグループにに勝みなみ、上田桃子と続いています。スタッツを見て驚いたのは、勝みなみ選手。飛距離274.1ヤードで3位に位置しています。2位になった三菱電機レディスを現地で取材しましたが、取り組んでいるトレーニングの成果でかなり飛距離が伸びています。それとフェアウェイキープ率100%の稲見萌寧選手。パッティングが決まらずに2オーバーに甘んじていますが、明日の巻き返しに期待します。
5位タイまでの11人の選手がプレーしたコースを見ると、ジャックラビットコースが6人、サイプレスクリークコースが5人とほぼ半々。サイプレスクリークのほうが距離がある分若干難しいかな……といった印象でしょうか。
明日の現地の天候は午後から雷雨になるとの予報のため、現地時間8時からのスタートに変更になりました。遅い時間にスタートする選手には厳しいコンディションになることが予想されます。「耐えて耐えまくります」というラウンド後の渋野日向子選手が話したように耐えるゴルフを強いられる展開になりそうです。日本勢の明日以降の巻き返しと上位進出を楽しみにまた今夜放送を見たいと思います。