みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。最近のシニアツアーがけっこう面白いんですよ。谷口徹プロや深堀圭一郎プロなんかの世代がシニア入りして、かなりメンバーが豪華。シニアの試合は真剣な中にも和気あいあいとした雰囲気もあって、観てても楽しいんですよ。
そんなシニアツアーで異色の経歴の持ち主である寺西明プロが今年の日本シニアオープンを勝ちました。寺西プロは30歳でゴルフを始め49歳でプロテストに合格したプロ。ゴルフを始めたのが遅いぶん、最速で上手くなることだけを考えて練習してきたそうです。しかも独学で、ゴルフ雑誌の記事を参考に練習を重ねたんだとか。そんな寺西プロのレッスン記事が月刊ゴルフダイジェスト1月号に載っていたので、気になる練習方法をやってみることにしました!
寺西プロの持論はゴルフのスウィングは始動からフィニッシュまでが一連の動作で、どこにも止まる動きがないというもの。よくレッスンで「頭を残せ」とか「左の壁を作れ」というようなものがありますが、体の動きを制限するような動きをすると、そこで動きが止まってしまってスムーズに振れなくなり、再現性も失われるという考え方なんですね。
なので、寺西プロは動きを止めずに、自分が動きたいように動いて振っているそうなんです。その考えでいまだにドライバーは300ヤード飛ばしてるんだとか。そんな寺西流のどこも止めないスウィングを身につけるためのドリルがステップ打ちドリル。
左、右、左とステップを踏みながら、常に同じリズムで振ることがポイント。普段歩いているスピードがその人にとってもっとも気持ちのいいリズムなんだとか。アマチュアがこのステップ打ちをやると、ほとんどの人が下半身と上半身のリズムが揃っちゃうそうなんです。やはり下半身が先行して動き、腕とクラブはそれにつられるように遅れて動くのが正解。その感覚を覚えるためには、まず左手一本でのステップ素振りをするのがいいようです。
左手でクラブを握り、左に踏み込んだ反動で右足に体重を移しながらテークバック。トップでは右足に全体重をかけ、左足をグッと踏み込んで切り返す。切り替えしてからは腰を回転させて、左足に全体重をかけるように振り抜いていきます。やってみると左手一本でやることで力があまり入らず、腕とクラブがつられて動くという感覚が分かりやすいですね。ちょっと大げさに体重移動してもいいかもしれません。
この動きがスムーズにできるようになれば、SWを両手で持ち実際に球を打ちます。ボールから少し離れて立ち、ステップをしながら一歩ずつ近づいて打つのが良いようです。ここで注意することは上手く当てようとして動きを止めたりせずに、リズムとテンポを変えないように振ることです。この「上手く当てようとせず」ってのがけっこう難しくて、どうしても当てに行く動きが入ってしまうので、とにかくリズムだけに注意してやりましょう。50ヤードくらい打つ感じで、打ち出しの高さと距離が揃ってくると合格です。この高さが揃うってのがなかなか難しいんですよね~。
寺西プロはラウンド前の練習のときに必ずこのステップ打ちをやって、高さと距離が揃うまでショット練習はやらないそうです。これは僕達も取り入れることができそうですね。家で左手一本でのステップ素振りをやるだけでも良さそうです。
このドリルをやってから球を打ってみると、リズムよく振れるのはもちろんのこと、しっかりと最後までスムーズに振り切れるようになりました。今まではフィニッシュで少し右側に乗ってしまうような感じだったのですが、しっかりと左足に乗れて綺麗なフィニッシュに。ボールにちゃんと力が伝わっているような感じもします。ラウンド中のショット前にルーティンとしてこのステップ素振りを取り入れるのもありじゃないかと思いました。