昨年のプロテスト合格者たちが新人NO.1の座を争ったJLPGA新人戦加賀電子カップ。その最終日の戦いの模様を、プロゴルファー・中村修がレポート!

昨年高校生でプロテストを通過した山下美夢有が首位。1打差に同学年の西郷真央選手と非常にフレッシュな顔ぶれが並んだ新人戦の優勝争い。2日目の最終日に圧巻のプレーを見せたのは、二人と同組で最終組をプレーしたセキ・ユウティン選手でした。7バーディ・ノーボギーの「65」というスコアもすごいのですが、圧巻だったのは上がり4連続バーディでの鮮やかな逆転です。

画像: 新人戦を制したセキ・ユウティン。その強さにプロが驚いた!(写真/JLPGA)

新人戦を制したセキ・ユウティン。その強さにプロが驚いた!(写真/JLPGA)

15番、16番とバーディを重ねて首位を快走する山下選手をとらえると、17番では池に近いピンポジを、これは山下選手もですが恐れることなく狙っていき、ついに頭ひとつ抜き出ることに成功。

18番では山下選手が2.5メートルの絶好の位置につけ、プレーオフへの望みをつなぎますが、入らず万事休す。セキ選手は2パットで優勝のバーディパットを沈め、見事を勝利を果たしました。

セキ・ユウティンという選手はこんなに強かったのか! ティショットでホールによっては20ヤードくらい同伴者の前を行く飛距離、恐れずに振り切る強い気持ちは、レギュラーツアーでの来季の大活躍を予感させるものでした。なにより“振れる”ようになっているのがいい。2日連続で「69」を並べた山下美夢有選手もいいプレーをしていました。150センチと小柄ですが、彼女の特徴はとにかく曲がらない点。高卒初年度のツアーでは最年少の世代ですが、プロらしい白熱した優勝争いを見せてくれました。同世代の西郷選手は終盤でボギーを叩くなどかみ合わないところもありましたが、目の前で繰り広げられた激闘は大いに刺激になったはず。来季の飛躍につなげてもらいたいです。

画像: 6アンダーで2位の山下(左)と3アンダーで3位の西郷(右)。ツアー最年少世代の二人も、来季は優勝をつかめるか?(写真/JLPGA)

6アンダーで2位の山下(左)と3アンダーで3位の西郷(右)。ツアー最年少世代の二人も、来季は優勝をつかめるか?(写真/JLPGA)

4位には安田祐香選手が入りました。プラチナ世代の旗手として大いに注目されましたが、首の怪我もあり勝利はお預け。ですが、寒いなか後半に進むにつれて持ち味のショットのキレを披露し、3つ伸ばしてフィニッシュ。来季の開幕……というか“再開”に向けてトレーニングも積んでくるでしょうし、楽しみな存在です。

画像: 安田祐香は最終日69とスコアを伸ばし、トータル2アンダー4位でフィニッシュ(写真/JLPGA)

安田祐香は最終日69とスコアを伸ばし、トータル2アンダー4位でフィニッシュ(写真/JLPGA)

それにしても、やはり一際輝いたのはセキ・ユウティン選手です。その可憐なビジュアルが注目され、ファンも多い彼女ですが、2021年ツアーではその飛距離、その強さにも、ぜひ注目してもらいたいですね。

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