開催中の全米女子オープンで首位に立っている渋野日向子。もし彼女が勝つと……どんな記録がついてくる!?

現在、「全米女子オープン」3日目を終えて、渋野日向子が2位のエイミー・オルセンと1打差の4アンダーで単独首位に立っている。本来であればすでに試合は終了しているのだが、悪天候によるコースコンディション不良のため最終日は月曜日に持ち越しとなった。ここで今一度、渋野が優勝した場合、どのような記録が付随するのかをおさらいしておこう。

もし明日、渋野が優勝した場合、「全米女子オープン」に優勝した初めての日本人ということになり、日本人でメジャーに複数回優勝している選手はもちろん渋野だけだ。そして世界の女子ゴルフの歴史においても、「全英女子オープン」と「全米女子オープン」の2つを優勝している選手は過去5人しかいない。つまり渋野が優勝すれば6人目の選手となるわけだ。中でも、この二つのメジャーを連続した年で優勝しているのはオーストラリアの世界ゴルフ殿堂入り選手である、カリー・ウェブのみ。アニカ・ソレンスタムも達成しなかった記録に名前を連ねることになる。

また、渋野にとって今回の「全米女子オープン」は初出場だが、初出場での優勝は史上5人目。過去には、朴セリ、ジュリ・インクスター、チョン・インジなどがいる。そしてもう一つ、全米ゴルフ協会(USGA)のゴルフトーナメント史上、日本人優勝は服部道子に次ぎ2人目となる。服部は1986年の「全米女子アマ」で優勝しており、約35年ぶりの快挙だ。

画像: 全米女子オープン3日目を終えて単独首位に立っている渋野日向子(USGA/Simon Bruty)

全米女子オープン3日目を終えて単独首位に立っている渋野日向子(USGA/Simon Bruty)

そしてもちろん優勝すれば、優勝賞金約1億円と優勝トロフィ、そしてミッキー・ライトメダルを獲得できる。そして向こう10年間の全米女子オープン出場権も得ることができるのだ。

さて、単独首位で最終日を迎える渋野にとって、1日順延されたことにより、何か影響があるだろうか? 米国メディアによれば、順延によりもっともメリットを感じられる選手は渋野だろうとしている。女子プロのカレン・スタップルズも米国のゴルフチャンネルに対し、次のように語っている。

「昨晩、彼女が練習をしていたのを見たが、グリップがしっくりきていないようだった。でも丸1日、それを直す時間ができたし、それを直すことで自信を持てるようになれば、最終日の18ホールは自信を持ってプレーできる」

土曜日の試合が終わった後、渋野は首位で最終日を迎えることに対して緊張しているようだったが、「月曜日には緊張感もあるだろうが、落ち着いてプレーできるのでは?」とスタップルズは推測する。

「最終日を前に首位で夜を過ごすのは、なかなか寝付けずタフなもの。でも今回は2晩あるし、ホールロケーションやティの位置なども時間がある分、頭に叩き込める。その分プレーしやすくなり、バーディを獲っていくためのいいプランも頭に浮かぶのではないか?」

3日間のプレーを終えて、アンダーパーはたった4人しかいない。その頂点に立っているのが渋野日向子だ。土曜日は緊張感で「足が5センチ浮いた状態でゴルフをしていた。ドラえもんの気分です」と冗談交じりに答えていた彼女だが、最終日は地に足つけて、持ち前の粘り強さを武器に優勝を目ざして耐えて欲しい。

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