全米女子オープンで、渋野日向子の小さい振り幅でボールを高く上げずに寄せるバンカーショットの妙技に目を奪われたゴルファーは多かったのではないだろうか? あのバンカーショットって、どうやって打つの?

アゴの低いグリーン周りのバンカーから、高さを出さずに脱出し、トロトロと転がして寄せるバンカーショット。今回の全米女子オープンでは、渋野日向子がそんな妙技を駆使してパーセーブ(あるいはバーディ奪取)する姿が見られた。

画像: 渋野日向子が全米女子オープンで見せた、高く上げないバンカーショット。いったいどうやって打つの?(USGA/Chris Keane)

渋野日向子が全米女子オープンで見せた、高く上げないバンカーショット。いったいどうやって打つの?(USGA/Chris Keane)

バンカーというと、フェースを思い切り開いてソールで砂を叩き、高さとスピンでボールを止める……そんな印象があるが、あの球を上げないバンカーにはどのような意図があるのだろうか? プロゴルファー・中村修は言う。

「あれは、ヘッドスピードを上げずに打つ打ち方ですね。ある程度ピンまでが近いバンカーの場合、あのようにヘッドスピードを上げずに打つことで、距離感を合わせやすくなるんです」(中村)

画像: ヘッドスピードを上げずに打つことで、ピン位置が近いバンカーからのショットでも距離感を合わせやすい(USGA/Robert Beck)

ヘッドスピードを上げずに打つことで、ピン位置が近いバンカーからのショットでも距離感を合わせやすい(USGA/Robert Beck)

フェースを開き、フルショットのような振り幅で打つ場合、高さも出るしスピンはかかるが飛びすぎたり、逆にボールの下を抜けてしまって飛ばなかったりと、距離感のコントロールが難しい。そのため、微妙な距離をコントロールしたい場合、あえてヘッドスピードを上げずに打つのだそうだ。

では一体、どのように打つのだろう?

「構え方は普通のバンカーショット同様、クラブフェースを開いて構えます。そこから、コックを使わずノーコック気味に、ヘッドで大きな『U』の字を描くようにスウィングします。スピンがかからないぶん、ターゲットの手前に落としてそこから寄せていくようなイメージになります」

アマチュアはインパクトでついゆるんでしまいやすく、ゆるむと脱出すらおぼつかない。小さい振り幅のなかでも、ゆるまず、かつヘッドスピードは上げすぎずにゆるやかな軌道でインパクトすることで、球を上げないバンカーショットは打てる。写真を見ると、ボールは高く上がっていないが、砂はしっかりと飛んでいる。

高度な技術で“砂イチ“を連発した渋野日向子。アマチュアゴルファーが真似できるかどうかはさておき、メジャーで優勝争いを繰り広げるだけに、さすがの技術だ。

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