PWよりロフトの寝たウェッジは近年単品買いが主流となっている感があるが、「アマチュアにとっては、アイアンセットに入っているPW以下の番手もオススメですよ」というのは、ギア好きゴルフライター・田島基晴。一体どんな点が優れているのか、教えてもらおう。

ロフトが立っていて、性能的に「尖っていない」のがいい

プロアマ問わず現代のクラブセッティングでウェッジといえば、PWはアイアンセットに付属されているものを使い、それよりロフトの寝た番手はロフト表記の「単品ウェッジ」を買い足すのが主流となっている。

実際に最新アイアンセットのラインナップを見ても5番~PWの6本セットが一般的だが、中にはPW以下の番手も揃えているモデルもある。「そういったアイアンセットに入っているウェッジこそ、アマチュアの方にオススメしたい性能を持っているんです」というのは、ギア好きゴルフライターの田島基晴氏。

「そもそもの話、20年ほど前まではウェッジまで含まれているアイアンセットが主流で、単品ウェッジはそもそも売られていなかったんです。単品ウェッジが登場したのはタイガー・ウッズが現れて以降。プロたちの活躍を見て単品で買う流れが作られていったんです」(田島、以下同)

しかし、プロたちが単品ウェッジを使用するのは、試合に合わせた難易度の高いコースセッティングに対応していくために操作性に特化していたりすることもある。とくに「アマチュアが楽にバンカーから脱出したり、やさしくピッチエンドランを打つには、少し難しいなという部分があります」と田島氏。

たしかに、セットウェッジと単品ウェッジを見比べてみると、多くの場合単品ウェッジのほうがヘッドが小ぶりで、ソール幅も狭い。だからこそ、「『プロが使っているから良いモノなんだ』と単品ウェッジをバッグに入れて、扱いの難しさに苦労している方も多い印象」だという。

田島氏自身、最近ピンの“ひとつ前”のモデルであるG410のUW(49.5度)とSW(54度)を購入したのだとか。セットウェッジのメリットについて、田島氏はさらにこう話す。

画像: 実際に田島氏が購入したG410のUW(右、49.5度)とSW(54度)

実際に田島氏が購入したG410のUW(右、49.5度)とSW(54度)

「まず、モデルにもよりますが単品ウェッジと比較してロフトが立っているものが多いんですよね。ロフトが立っているほうがやさしく打てるし、アプローチでもランを上手く使えます。我々アマチュアにとっては54度より上のウェッジって扱いが難しいと個人的に思っているので、54度のSWを使うとやさしさに感動するんですよ。ソール幅も十分で、スピンもちゃんとかかります。(性能的に)尖っていないところが魅力ですね」

ロフトが立っているSWでバンカー脱出はちゃんとできるのか? と疑問も浮かぶが「それについても全然問題ありません」と田島氏。

「アマチュアでバンカーに苦しむ方は、高さよりも前に飛ばなくて脱出できないという方が圧倒的に多いという印象です。シビアに狙っていくなら難しいかもしれませんが、単純にバンカー脱出を重視するならセットウェッジで十分。そもそも、脱出できなければ意味ないですからね」

加えて中古価格が比較的安めであることも、セットウェッジをオススメできる理由の一つだという。

「単品ウェッジを入れるなどしてセッティングから外れたセットウェッジは、良い状態のまま中古市場に出ていることが多いです。もちろんモデルや商品の状態にもよりますが、お値段も単品ウェッジより安い傾向にあるので、お買い得なんです」

もしセットウェッジを入れるならば、当然自分の使用しているアイアンと同じモデルで合わせるのがベストだが、別モデルのセットウェッジであっても、「扱いやすさを考えればセッティングに組み込むのはオススメです」という。

「『単品ウェッジのほうが止まるんじゃないか』と考えてしまい、なかなかセットウェッジに手が伸びない方も多いと思いますが、正直性能的に遜色ないですよ。単品ウェッジよりやさしくアプローチできるセットウェッジ、ぜひ試してみてください」

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