「冬は厚着するため、夏と同じように振れないので、柔らかくしたり、長くしたり、軽くしたりというようにクラブのスペックを落とす必要があります。だけど、この方法はお金がかかるため、かなりハードルが高いことですよね。なので、僕はヘッドに鉛を貼ることをオススメします。そうすることで、ヘッドバランスが重くなって、その分シャフトがしなるので自分が頑張らなくなくても、クラブが働いてくれるからです」
シャフトのしなりは先端についているヘッドが重いほど大きくなる。シャフトがしなりにくくなる冬場は、ヘッドを重くすることでそのしなりを補ってあげればいいというわけだ。
「もちろん、打つ本人の力が抜けていることが前提ですが」と前置きしつつ、着ぶくれして“自分ががんばれない”からこそ、シャフトにしなってもらって仕事をしてもらったほうがラクに飛ばせると菅野氏は言う。
では、鉛はどのように貼ればいいのだろうか?
「何グラム貼るかはゴルファーによって変わってきますが、鉛を貼るときは、やりすぎかもしれないけど、まずは8グラム、ソールにベタっと貼ってそこから1グラムずつ減らしていく方法がオススメです。多くのアマチュアゴルファーは少しずつ貼って重くすると思いますが、これだと違いが分かりにくいんですよ。8グラムは勿体ないと思うかもしれないけど、最初は重くして徐々に減らしていくほうが自分の心地よく振れる重さというのが分かりやすいと思います」
練習場で調整しようと思って、少しずつ鉛の量を増やしながら試していても気が付いたら違いが分からなくなっていた、なんてことにならないように、はじめにドン! と鉛を貼るのがオススメの方法のようだ。ではどこに貼ればいいのだろうか?
「貼る場所というのはゴルファーによって変わります。というのも、体を回して、いわゆる体が開いた状態でインパクトを迎えるタイプと、手を返してボールにコンタクトするタイプでは同じシャフトを使っていてもヘッドの動きは変わってくるからです。なので、まずは一番結果が出やすいトウ側にベタッと8グラム貼ってみましょう。トウ側に貼った状態で振ってみると"つかまる球"か"スライス球"のどちらかが出るはずですので、つかまる球であればバランスよく振れる重さまで徐々に軽くしていき、スライス球が出るという場合は鉛を貼る場所をヒール側に変えてどういった球が出るのか確認した上で重さを調整していくことをオススメします」
鉛ひとつでも振り心地は大きく変わる。寒くなってきて振れていないなと感じているゴルファーは一度、鉛を使った簡単チューン法を試してみてはいかがだろうか?