2017年韓国で開催されたLPGAツアーのKEBハナバンク選手権で優勝したときコはまだツアーメンバーではなかった。その優勝でメンバー資格を得て翌年から韓国を離れ米ツアーに専念。18年に1勝を挙げ新人王に輝くと翌19年その実力が一気に花開く。
メジャー初戦のANAインスピレーションズで優勝するとメジャー最終戦のエビアン選手権も制し、
年間4勝を挙げて世界ランクナンバー1に浮上。さらにプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手賞)、メジャーでもっとも良い成績をマークした選手に贈られるアニカメジャーアワード、年間最少ストローク選手賞=ベアトロフィー、賞金女王と主要タイトルを総なめにした。
しかし今年はコロナの影響で韓国を出国できず、ようやくツアーに復帰できたのは11月になってから。初戦で34位、2戦目で5位。その時点ではツアー最終戦の出場条件を満たしておらず3戦目の全
米女子オープンが今季最後の試合になるはずだった。
しかし渋野が3日目までトップを走り注目を集めた全米女子オープンで最終日68をマークして2位タイフィニッシュ。これで最終戦の出場権を得て女子ゴルフ界でもっとも優勝賞金が高い(110万ドル=約1億2000万円!)ツアー選手権に参戦すると、サンデーバック9で3連続を含む5 バーディを奪い一気にライバルたちを抜き去り先頭でゴール。わずか4試合で約166万8千ドル(1億7300万円)を稼ぎ2年連続賞金女王に輝いた。
「ここに来られただけでも信じられないのに優勝できるなんて……」。敬虔なクリスチャンでもある彼女は「すべては神様の思し召し。私は何もしていません。神様に感謝します」。
「韓国にお金をほぼすべて送金しちゃったから銀行の残高が0だったんです。アメリカに家を買いたいと思っていたからうれしい。これで買えそうですね(笑)」と声を弾ませた25歳。
昨年はタイガーが持つ110ホール連続ノーボギーの記録を破る114ホール連続ノーボギーの新記録も樹立している。心技体の充実ぶりを見ると彼女の勢いは2021年も衰えることはなさそうだ。