2020年は予選落ちが続くなど苦しい立ち上がりとなった渋野日向子だったが、後半に向けて復調し、全米女子オープンでは堂々たる優勝争いを繰り広げて4位と惜敗。敗れはしたものの復活を印象づけた。そんな渋野日向子のスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。
たとえばバックスウィングが1だとしたら、フォローが3。それくらいの割り合いに感じられるほどフォローが大きいのが渋野日向子選手のスウィングの特徴であり、魅力です。
よく、「インパクトは通過点」なんて言ったりしますが、彼女のスウィングはまさにそれ。インパクトを重視するのではなく、フィニッシュに向けて振り抜いていくなかでボールをとらえていくスウィングです。
そのように振るメリットは多くありますが、なんといってもアッパー軌道になりやすく、飛ばせることがメリット。しかも、弾いて飛ばすというよりも、彼女の場合スウィング中にフェースを開かずシャットな(閉じた)状態で使うため、フェースにボールを乗せて運ぶように打つこともできています。
全米女子オープンをテレビやネットで観戦した方はよくわかると思いますが、難しいセッティングのなかでも渋野選手のドライバーショットは終始安定していて、とても安心感がありましたよね。構えて、スウィングして、出球を見たらすぐに目線を切って、ティを拾う。ここまでの一連の動作に淀みがまったくありませんでした。
アプローチの進化も目を引きましたが、ティショットの安定感は世界レベルであることを証明することができました。2021年シーズンは2020年シーズンで感じていたようなプレッシャーから解放され、彼女らしい笑顔でのびのびとプレーする姿を楽しみにしたいですね!