たとえばバックスウィングが1だとしたら、フォローが3。それくらいの割り合いに感じられるほどフォローが大きいのが渋野日向子選手のスウィングの特徴であり、魅力です。
よく、「インパクトは通過点」なんて言ったりしますが、彼女のスウィングはまさにそれ。インパクトを重視するのではなく、フィニッシュに向けて振り抜いていくなかでボールをとらえていくスウィングです。

コンパクトなトップ(左)から、腕が伸び切った大きなフォロー(右)へと一気に振り抜いていく渋野日向子の豪快なスウィング(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)
そのように振るメリットは多くありますが、なんといってもアッパー軌道になりやすく、飛ばせることがメリット。しかも、弾いて飛ばすというよりも、彼女の場合スウィング中にフェースを開かずシャットな(閉じた)状態で使うため、フェースにボールを乗せて運ぶように打つこともできています。
全米女子オープンをテレビやネットで観戦した方はよくわかると思いますが、難しいセッティングのなかでも渋野選手のドライバーショットは終始安定していて、とても安心感がありましたよね。構えて、スウィングして、出球を見たらすぐに目線を切って、ティを拾う。ここまでの一連の動作に淀みがまったくありませんでした。
アプローチの進化も目を引きましたが、ティショットの安定感は世界レベルであることを証明することができました。2021年シーズンは2020年シーズンで感じていたようなプレッシャーから解放され、彼女らしい笑顔でのびのびとプレーする姿を楽しみにしたいですね!
渋野日向子の飛ばしのリズム「チャー・シュー・メン」でテンポを整える。青木翔コーチが実演!
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