新型コロナウイルスの流行によるツアースケジュールの大幅な変更、無観客で開催されたメジャーを含む多くのトーナメント。異例尽くしとなった今年のゴルフ界を、カメラマンはどう切り取ったのか? ツアーで活躍するゴルフカメラマンに「今年の一枚」を選んでもらった。その第二回は、国内ツアーの撮影に飛び回った岡沢裕行のベストショット。
「今年の女子ツアーを盛り上げたうちのひとり、そして昨年に比べ急成長を見せた原英莉花選手の写真を選びました」と選んだのは、11月29日に原英莉花が今季2勝目を挙げたJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの最終日に撮影した1枚。
出場者全員が大会の優勝者へフラワーシャワーをするのは毎年恒例のことだが、今回は新型コロナウイルスの影響もあり、ソーシャルディスタンスをキープするため、クラッカーでのフラワーシャワーとなった。
両手を広げ、祝福の花びらを受けている原を、岡沢は「優勝争いする中での試合運びが、勝負に勝つプロのプレーぶりだった」と振り返る。
「この試合で原選手は初日から首位を守っての完全優勝でした。苦しい状況になっても崩れないゴルフでしたが、この時の原選手はあんまり感情を出し過ぎない、入り過ぎないように見えました。ボール地点に行くまではキャディと話しながら向かい、着いてからグッと集中してプレーをしているようでした。それって海外のトッププレーヤーがやっているプレースタイルに凄く共通していて、昨年に比べて成長を感じたプレーヤーの一人です」
昨年初優勝を挙げ、さらに技術面、メンタル面に磨きをかけて今年は日本女子オープンとリコーカップの2勝をつかんだ。海外ツアーのでの撮影経験も豊富なカメラマンの眼には、海外のトップ選手と共通するプレーぶりだと映ったようだ。
最終戦でプロたちからの祝福を一身に浴びる姿は、来年のさらなる飛躍を予感させてくれるようだ。