長尺シャフトは果たして浸透するか?
2020年のゴルフギアで話題になったトピックと言えば、PGAツアー選手たちのドライバー長尺化ですよね。
現在のドライバーシャフトは吊るし売りでは45~45.5インチが標準的な長さですが、肉体改造によって大幅に飛距離アップしたブライソン・デシャンボーが、さらなる飛距離アップのために48インチの長尺ドライバーをテスト。そんなデシャンボーに感化されて、ビクトル・ホブラン、アダム・スコット、フィル・ミケルソンとトップ選手たちも長尺ドライバーをテスト・実戦投入しています。
ドライバーの長尺化は飛距離アップの手段のひとつとして正しいです。PGAツアーのスタッツの仕組みを考案したコロンビア大学のマーク・ブローディ教授も、飛ばしたほうがスタッツ的には良い傾向にある、と述べていますし、ゴルフが楽になる可能性を感じているからこそプロたちもテストしているというわけです。
ただ、スウィングのタイプによっては短いシャフトのほうが合うゴルファーもいて、これはプロアマ問わず共通。「長尺だから絶対に飛距離が伸びる」というわけではないんです。標準的な長さがちょうど良い方もいれば、短尺のほうが飛距離が出る、なんてこともあります。
では長尺シャフトが合う・合わないの基準はいったいどこにあるのか。個人的にはスウィングタイプの違いにあるのではないかと考えています。回転で打つタイプは長尺が合いやすいですし、地面反力を使って縦にスウィングしたいタイプに長尺は合いにくい傾向があると思います。
スウィングタイプの相性に加えて、切り返しの仕方によって相性の良いシャフト特性も変わってきます。切り返しがゆったりめな方なら全体的にしなるシャフト、逆に切り返しが速い方は手元にしっかり感があるモデルがオススメですよ。
それぞれタイプ別に具体的なモデル名を挙げるとしたら、ゆったり切り返す人が長尺を使うならUSTマミヤ「アッタスダァーッス」、逆に短尺を使うならフジクラの「スピーダーSLK Type-D」あたりがオススメ。
逆に、切り返しが速い人が長尺を使うなら三菱ケミカル「ディアマナDリミテッド」、短尺ならばフジクラ「ベンタスブルー」がオススメです。ひとえに短尺、長尺といってもシャフトによっても合う合わないがあります。
ひとまずアマチュアの方に伝えておきたいのは、シャフトの長さを変えてみるだけでもいろんな発見がありますよ、ということ。先入観で「長尺シャフトは振り切れないよ」、「短尺だと飛ばなそう」と言わずにぜひ試してほしいですね。