今週開催されるPGAツアーセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」は前年のツアー優勝者のみが出場できる試合。日本の松山英樹は昨年PGAツアーでの優勝がないが、今大会に参戦。その理由は? 優勝候補として松山が臨む試合のアレコレを、海外ツアー取材歴20年超のゴルフエディター・大泉英子がまとめた。

2020〜2021年度のPGAツアーシーズンも、束の間のオフを挟み、今週から再びハワイで再開する。

前年のツアー優勝者のみが出場できる「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」(マウイ島・カパルアプランテーションコース)だが、新型コロナウイルスの蔓延で昨年は数々の試合が中止となり、優勝者の人数もそれに伴い減少。そこで、ツアーは今年の特別措置として前年の「ツアー選手権」(2019〜2020年シーズン最終戦)の出場者30名にも出場権を与えることとなった。

というわけで、昨年、優勝できなかった松山英樹、ザンダー・シャウフェレ、キャメロン・チャンプ、トニー・フィナウら16名が出場し、全出場者数は大会史上最多の42名に。ロリー・マキロイ、ティレル・ハットン、ジム・ハーマンの3名は欠場で、特にハーマンは試合前の検査で陽性だったため、やむなくの欠場だ。

画像: 3年ぶりの出場となる松山英樹。相性のいい大会で好成績を収めることができるか注目だ(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

3年ぶりの出場となる松山英樹。相性のいい大会で好成績を収めることができるか注目だ(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

松山の出場は3年ぶりで、2015年には3位、2017年には2位、2018年には4位と非常に相性がいい大会だけに、今回の特別措置の恩恵を生かして、今度こそ優勝を期待したいところ。PGAツアーの記事によれば、ベットサイト「Bet365」で今大会の優勝者のベットを行なっているが松山英樹はブライソン・デシャンボー(9/1)、ザンダー・シャウフェレ(10/1)に次ぎ、3位にランクインしている(16/1)。松山英樹の活躍が海外のゴルフファンからも期待されているのだ。 

昨年の自身の終盤7試合で、優勝3回(マスターズ含む)、2位3回と絶好調の世界ランク1位、ダスティン・ジョンソンが出場する他、世界ランク3位でディフェンディングチャンピオンのジャスティン・トーマス、全米オープンチャンピオンのブライソン・デシャンボー、全米プロチャンピオンのコリン・モリカワらも出場。

懐かしいところでは、2002年大会に優勝し、2006年以来一度も出場していないセルヒオ・ガルシアが15年ぶりに出場。昨年の「ジェネシス・インビテーショナル」で優勝し、今大会に過去7回出場しているアダム・スコットも2014年以来、7年ぶりに出場する。

画像: 世界ランク1位のダスティン・ジョンソンは活躍なるか(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

世界ランク1位のダスティン・ジョンソンは活躍なるか(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

なお、過去4年で、今大会の優勝者は全て、そのシーズンのフェデックスカップランキングでトップ5に入っているというデータがあり、「セントリートーナメント」を制する者は、そのシーズンで成功を収めると言うジンクスもある。

さて今大会は、プロアマを大会前の水曜日に実施し、有観客で開催される。有観客での開催は、昨年11月の「ビビント・ヒューストンオープン」以来だ。

プロアマに出場するアマチュアは、ハワイ州やPGAツアーの規則に則り、事前にPCR検査を受けて「バブル(※編注:閉じられた環境といった意味)」に入り、PGAツアー選手と同等の扱いで水曜日の大会に出場する。また、観客については、コース内を歩き回る、普通の観戦スタイルではなく、18番グリーン周りに作られた観戦エリアでのみ、食事を取りながら観戦できる、と言う「WITHコロナスタイル」となっている。

観戦チケットにはハワイに居住する人向けのものも含め、2タイプが販売されていたが、どちらも完売。好きな選手についてコースを歩き回れないという制限はあるものの、久しぶりのPGAツアー観戦を楽しみにしているファンも多いだろう。 

今年の試合は、おそらく今大会のような「動きの制限された状態」での観戦法で観客を入れていく試合も増えるに違いない。少しずつ試行錯誤を繰り返しながら、ゴルフファンたちに観戦するチャンスを広げ、活気あるツアーに戻すべく、ツアーは取り組んでいる。

 

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