みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。冬のゴルフって難しいですよね。寒くなることで厚着になったりして体が動かないとか、気温が低くボールが飛ばないとか、冬ゴルフの難しい理由はいろいろありますが、なんと言っても芝が薄くなるってことが冬ゴルフを難しくしていると僕は思います。
特にアプローチ! 芝が薄くなるとどうしてもチャックリやダフリが多くなってしまいます。できれば冬場のアプローチはチャックリしないようにパターで打ちたいと思うのですが、そうも行かない場合も多い。なにか薄い芝でも上手く打てそうなアプローチはないかな~と思っていたら、月刊ゴルフダイジェスト2月号に海老原清治プロの「もっと手を使えばアプローチはやさしいよ」って記事があって、やさしく転がしアプローチができそうなのでやってみることにしました。
アプローチって「手を使うとミスしやすいので体を使って打ちなさい」なんて話をよく聞きますが、海老原プロが教えるアプローチは「右手で打つランニングアプローチ」。人間の手っていうのは優秀なんだから積極的に使ったほうがいいって考え。手打ちだからミスするんじゃなくて、ちゃんと指令をだしていないからミスするんだよってことらしい。
そしてランニングアプローチを薦める理由は、やはりやさしいから。転がしのアプローチだと、球を上げなきゃという意識が働かないのでチャックリなどのミスが出にくいし、パットと同じような距離感で打てるので寄せやすいってこと。もちろんバンカー越えとかでは上げるアプローチが必要なので、それも習得しないといけないですが、そういうシチュエーション以外であれば、ほぼ転がしで寄せられるということです。
で、海老原プロ流の転がしアプローチですが、基本は「右手首の”チョン”」だけで打つという完全な手打ち。腕はもちろん振らずに、ひじは体につけたままで、手首を支点にしてクラブを上げて下ろすだけという、本当に手首だけしか使わない打ち方。手首の動きだけでコツンと打つだけのアプローチなので、ミスになりにくい。海老原プロはほぼ8番アイアンを使ってこの転がしアプローチをやってるそうです。とてもシンプルなのでコツといえるほどのことはないらしいのですが、右手の親指、人差し指、中指の3本が器用だから、この3本でしっかりと持って打つといいようです。
さっそくコースで試してみました。僕も海老原さんと同じように8番アイアンを使ってラウンド中に何度か「海老原流転がしアプローチ」をやりました。たしかに手首の動きだけで打つのでミスにはなりにくかったです。注意する点はアドレスでのグリップ位置をインパクトまでは絶対に動かさないこと。グリップ位置が動いてしまうと打点がズレてミスになるので、あくまでも動かすのは手首だけというイメージ。ボールの位置ですが、僕は右足つま先の前くらいがちょうど打ちやすかったですが、人によって打ちやすいボール位置は違うと思うので、何度か素振りをしてみて、ヘッドが芝をこするところにボールが来るようにすればいいと思います。
距離感はパターと同じと海老原プロは言ってましたが、打ち方がパターと違うのでちょっとそのイメージでは僕は距離感出せなかったですね。なので、振り幅の大きさとインパクトの強さで距離感を出すのですが、これはちょっと練習しないとダメかな~という感じ。もしかしたら遠いときは7番とか6番アイアンを使って、近いときは9番アイアンを使うとか、クラブを変えるという作戦もいいのかなと思いました。
インパクトの時のフェースの向きで方向性が決まってしまうので、いかに目標に向けたままインパクトするかってのが大事なのですが、それができているかを確認するドリルがあります。右手親指の爪を立ててグリップして打つんです。このほうが普通にグリップするよりも感覚が敏感になるために、フェースが開いてインパクトしたりするとすぐに分かるということです。
1ラウンドで数回このアプローチを試してみましたが、やはりチャックリやトップなどのミスは出にくいですね。冬の薄い芝でもかなり使えそうです。距離感を出すには少し練習が必要ですが、慣れてしまえばかなり武器になりそう。特に花道とかからパターでは芝目に影響を受けそうだし、ウェッジだと芝が薄くて不安だし……みたいなときには使えそうな気がします。
青木功プロも「ゴルフはゴロフ」と言って転がしアプローチを多用しています。あなたもこの機会に練習して転がしアプローチを会得してみてはどうでしょうか。