女子ツアーは現在シーズンオフだが、今年活躍するのは果たして誰かをプロゴルファー・中村修がスタッツ(部門別データ)から占う3日連続のシリーズ、その第一回はリカバリー率1位の古江彩佳に注目した!

リカバリー率74.8837%で1位

2020年の古江彩佳選手はオールラウンドで平均点の高さが特徴的なプレースタイルでした。平均ストローク1位、パーセーブ率1位、リカバリー率1位、60台のラウンド数1位、決勝ラウンドの平均ストローク1位、ファイナルラウンドの平均ストローク1位、そして年間3勝と、ツアールーキーとは思えない活躍を見せてくれました。

画像: 昨シーズン3勝を挙げた古江彩佳(写真は2020年のデサントレディース 写真/大澤進二)

昨シーズン3勝を挙げた古江彩佳(写真は2020年のデサントレディース 写真/大澤進二)

古江彩手の特徴は、安定したスウィングテンポ、多彩なアプローチなど技術の高さにプラスしてプレーオフではピンに絡むショットを放つ、ここぞという場面で発揮されるメンタル面も含めたパフォーマンスの高さが挙げられますが、今回はリカバリー率、つまりパーオンを逃した場合にパーかそれより良いスコアでホールアウトする確率に注目してみました。

彼女のリカバリー率は74.8837%。リカバリー率2位の名手、シン・ジエ選手の69.6429%を5%も上回る数値を記録しています。実はこのリカバリー率、単にアプローチの打ち方の技術が高いだけでは1位は獲得するのは難しいスタッツです。

なぜかといえば、アプローチにはグリーン周りの状況やピンの位置によって、寄せやすい場所とそうでない場所があるからです。花道から平らなグリーンのセンターに切られたピンに寄せるのと、グリーン奥からエッジからすぐに切られたピンに寄せるのでは難易度がまるで違います。つまり、技術に加えて、そもそも「行ってはいけない場所」にボールを行かせないことが必要となるのです。

そのため、リカバリー率を上げようと思ったら、単純な打ち方の技術に加え、仮にグリーンを外してもアプローチしやすい場所を判断するマネジメント力、もっとも寄せられる弾道を選ぶイメージ力、そして最後にしっかり決めるパット力の3つの力が必要になるのです。

古江選手の場合、その中でもイメージ力が際立って高いところが特徴ではないでしょうか。ピン位置から逆算し、ライを見てキャリーとランの割合、スピン量を考慮しクラブと打ち方、弾道を選定し、イメージした通りに打つ、この一連の流れによどみや迷いがありません。よほど頭に描くイメージ力が強いのだと思います。

画像: 2勝目を挙げた伊藤園レディスではピンまで下り傾斜のアプローチを絶妙な距離感で寄せてパーセーブした(写真は2020年の伊藤園レディス 写真/矢田部裕)

2勝目を挙げた伊藤園レディスではピンまで下り傾斜のアプローチを絶妙な距離感で寄せてパーセーブした(写真は2020年の伊藤園レディス 写真/矢田部裕)

女子ツアーはコロナ禍の影響で、2020年、2021年シーズンを合わせて1シーズンとなりましたが、21年シーズンがフルに開催されるとしたら、体力面、モチベーションの維持など誰にとっても未体験のシーズンが待っています。ツアーをリードする選手となった古江選手が、そのあたりも含めてどう対応しながら乗り越えていくのかというのも注目していきたいところです。

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