19年のこの大会で最終日にコースレコードをマークして優勝したザンダー・シャウフェレ。昨年は最終ホールでジャスティン・トーマスとパトリック・リードに並ばれプレーオフにもつれトーマスに敗れたもののコースとの相性は抜群だ。しかし今年は満を持してリベンジを誓う、という状況ではないようだ。
なぜなら12月中旬コロナに感染していたから。ガールフレンドの陽性が発覚したとき、シャウフェレはフィル・ミケルソン、ジョン・ラームとともにキャロウェイの宣材写真の撮影を行っていた。
「マネージャーから彼女がPCR検査で陽性だったというメールを受け取ったまさにそのときだったので、2人との写真撮影が少し怖かったです」と打ち明けたシャウフェレ。その直後からひとりでホテルに自主隔離。症状もなく体調も悪くなかったが数日後突如コロナが牙を剥いた。重い体を引きずってクリニックに出向いて検査すると感染が判明。
「彼女がどこでウイルスに感染したのかまったくわかりません」というシャウフェレは数日間をベッドで過ごし「ほんの少しテレビを見るかプレイステーションをするかしかなかった」という。
オフの間クラブを握っていなかったため、コロナ感染期間も含めほぼ練習はできていない状態。そのまま大会出場となったため「調子が良いはずがない」と本人。「フィジカルはまったくダメ。精神面でこの大会の過去の良い思い出にすがるしかない」という。それでも初日は4アンダー12位タイとまずまずの滑り出しだった。
この日リーダーボードのトップに躍り出たのはハリス・イングリッシュ。彼もまた昨年ツアー再開直後にコロナにかかりトーナメントから一定期間の撤退を余儀なくされた。
イングリッシュに2打差の3位タイにつけたセルヒオ・ガルシアもコロナ経験者。11月のマスターズ直前に陽性となりプロ入り前から21年間連続出場していたメジャーから棄権する不運に見舞われた。
「最近では一番ショットが切れていた」と好スタート(9位タイ)に笑顔を見せたアダム・スコットもコロナを経験しており、初日は出遅れたものの優勝候補のひとりダスティン・ジョンソンもコロナ経験者。日本では2度目の緊急事態宣言が発出されたが、今年もゴルフ界はコロナとの共存が求められることになる。