真冬のゴルフといえば厚着のため体が回らない、寒さでシャフトが硬くなってしならない、ボールも反発が下がって飛ばない、さらにはティイングエリアは凍ってティが刺さらない……と“ないない尽くし”。そんな中でもナイスショットは打ちたい……と思うのがゴルファーというもの。
そこで真冬のティショットで気をつけるべきことをわっほーことプロゴルファー・岩男健一に聞いてみた。

まずはミトンなどで手を冷やさないようにすること。すぐにできる冬ゴルフの工夫だと岩男はいう
「基本的なことですが、真冬のとくに朝イチはなるべく指先を温めて、グリップをゆるく握って打つように意識してもらいたいですね。指先が冷えてしまうと感覚がなくなってしまうので、ミトンをつけたまま素振りして手を温めておくのがオススメです。それと、冬はシャフトが硬くなってクラブの運動量が減ってしまうため、強く握ってしまうとより曲がりやすい。指先で握ってグリップをゆるゆるにして打ったほうがベターです」(岩男)
さらに、「とくに朝は体が回りづらく、前傾角度も崩れやすい。それでも当たりやすいように、ティアップを少し高めにするのもいい方法です(写真A参照)」と教えてくれた。

写真A:いつものティアップ(左)に比べて、真冬のティアップ(右)は少し高めにするといい
では、スウィング中はどんなことを意識すべきだろうか?
「冬場は息を吐きながらバックスウィングすることを意識しましょう。息を吐くと力みがとれて肩がよく回りますし、リズムが早くなりにくいので、“あわてんぼう”になりにくいんです」(岩男)
厚着の影響やシャフトの硬さもあり、冬場はついつい打ち急ぎがち。ゴルフでは打ち急ぎは振り遅れにつながりやすく、ボールがつかまらないミスを呼ぶ。息を吐くだけで左肩の位置が下がり、深く捻転できるようになるというから、試してみたい。

写真B:冬は寒さと厚着の影響でバックスウィングが回りにくくなる(左)、息を吐きながらバックスウィングするだけで捻転が深くなる(右)
そして最後に冬は狙いどころも注意するべきだと岩男はいう。
「冬は20~30ヤード飛距離が落ちますから、それを想定して安全なところを狙うほうがいいと思います。いつもならバンカー越えできるからといっていつもと同じ方向を狙うと、飛距離が落ちているので当然バンカーに入る危険性がありますよね。、冬の距離を把握して、狙う方向を考えることもスコアをまとめる上で大事なことです」(岩男)
真冬でもちょっとした工夫でナイスショットの可能性は高くなり、セカンドを打ちやすい場所にボールを止めることは可能。みなさんもぜひ試してみては?
取材協力/太平洋クラブ成田コース