「硬さ」と「重さ」を両立
各メーカーが販売するカスタムカーボンシャフトへのリシャフトは主にドライバーが一般的ですが、珍しいところではパター専用のカーボンシャフトを用意しているメーカーもあります。
なかでも良いなと思ったのが、LAゴルフのTPZ135。PGAツアーで活躍するブライソン・デシャンボーやリッキー・ファウラー、一時期は松山英樹選手も使用していて話題になりましたね。
多くのプロも使っているTPZ135、いったい何が良いのかというと、スチールではありえない硬さと重量を実現しているという点。一般的なスチールシャフトが大体125グラム程度、重いモデルでも130グラムちょい切るかな、といった感じですが、TPZ135は名前にある通り135グラムとかなり重め。
硬さと重さを併せ持ち、シャフトのしなやかさをなくすことでトルク(シャフトのねじれ)が抑えられ、手元の動きも安定しますしヘッドのブレも少なく感じます。
パターではヘッド重量を活かした振り子動作でストロークしますが、その際にシャフトが余計な動きをしてしまうと、実現したい理想の動きから外れてしまうんですよね。重く硬いシャフトを使うことで、自分のストロークでヘッドを管理しやすくなるんです。
かつてはアイアン用のXフレックスシャフトをパターに入れて同じような効果を得るカスタマイズが流行したこともありましたが、カーボンシャフトに頼りないイメージがあった昔と違い、今では技術の進化によってむしろカーボンのほうが硬さと重さを両立できるんです。
こういった性能のパターシャフトって意外とないんですよね。カーボンパターシャフトと言えば、三菱ケミカルの「ディアマナパター」がありますが、こちらは硬さではなくしなやかさを出して転がりを良くする、真逆の性能を持っています。純粋なカーボンシャフトでいうと、代替モデルがないんじゃないかなと思います。
とまあ、プロが採用するのも納得のメリットがあるわけで、それはもちろんアマチュアの方にも同様なのですが、大体4万円と、最新パターを1本買ってもお釣りが戻ってくるくらいお高めです。
でもパターってラウンド中にラウンド中一番多く使うことになるクラブ。リシャフトが比較的盛んなドライバーでもラウンド中使用するのは多くて14回ぐらいで、対してパターは全ホール2パットでも36回は使うわけですから、使用頻度を考えれば費用のかけ方としては間違ってはいないとも言えます。
パットを安定させるための選択肢のひとつとしてアリだと個人的には思いますよ。