「身長、腕、足の長さによって合うシャフトの長さは変わります。よく言われているのはキチンと構えて、利き目の真下にボールを置いたときに体とグリップと間に隙間ができすぎない長さがその人に合っているということ。ただ、実際は長さが合っていないケースがほとんどで、それがミスに繋がっている可能性もあります」(菅野)
ヘッド形状によっても変わることから絶対とは言えないが、正しくアドレスしたときに体とグリップの隙間がこぶし1~2個くらい空くことが理想。
あくまで目安ではあるが、こぶし半分以下であればシャフトが長いという判断ができる。逆にそれ以上空いてしまっている場合はシャフトが短いということだが、日本人の場合身長で標準的な長さである34インチが短いというゴルファーは少数派のようだ。
「まずは(背中を丸めるだけではなく)しっかりと骨盤から前傾した状態で利き目の真下にボールがあるかどうかを、鏡やミラー仕上げの練習器具などを置いてセルフチェックすることが大切です。そうして正しいアドレスをした上で、適正な長さのシャフトを使うことで体を使ってストロークできるようになるため、フェースをスクェアに使えるようになりますし、その結果ミスが減る可能性がありますよ」
ショットと同様ストロークも再現性が重要と言われているが、適正より長いシャフトだと構えが棒立ちになり、体とクラブが遠すぎてしまい引っかけたり、開いたりといったミスに繋がる。しかし適正の長さのシャフトを使うことによって、正しいライ角通りに構えられて、フェースもスクエアに使え、それがストロークの再現性を高めるきっかけになるかもしれない。
では、その結果、34インチではなく33インチのほうが合いそうだとなったらどうしたらいいのだろうか?
「シャフトの長さがちょっと長いなと感じてもすぐにシャフトカットする必要はありません。グリップエンドが体につかなければ問題ありませんし、まずはグリップを短く持ってしばらく使ってみることをオススメします。仮に少し長いシャフトがいいなという場合もリシャフトするのではなく、グリップの握る場所を変えてみるだけでも振り感は変わると思いますよ。それでもどうしても気になるというのであれば工房に相談してみてください」
短く持ってグリップが細くなるのが気になるならば、太めのグリップに交換するといったこともひとつの方法だ。また、逆にパターが自分にとって短いことがわかったならば、シャフトの先にシャフトを継ぎ足して長くするチューニングは可能だ。
洋服のサイズを自分にピタリと合わせるように、パターの長さを自分に合わせることができれば、それだけで小さなミスは減らせる。パッティングに悩んでいる人は、パターを買い換える前に是非長さをチェックしてみよう!