「夏と冬では気温や風が違いますし、自分も元気に振れませんから飛距離が出なくなります。それでもスコアを崩さないようにするために対策が必要になりますが、それは打ち方ではありません。アマチュアゴルファーの方は番手選びを気をつけるだけでも、ショートを防げると思いますよ」(中井、以下同)
冬はボールが飛ばない。わかっていても、ついベストシーズンと同じ番手を持ってしまいがち。しかしそれではナイスショットしても距離が足りずにグリーン手前のバンカーに入ってしまう、なんてことにつながってしまう。
「たとえば通常9番アイアンで打つ距離だったとしても、冬は最低でも2番手上の7番アイアンを持つべきです。風次第では、3番手、4番手上の番手を持つ必要だってあります」
たとえば残り100ヤードをピッチングウェッジで打つゴルファーなら、持つべき番手はPWでも9番でもなく「8番」だ。それだとオーバーしちゃうんじゃ? と不安になるくらいの番手でOKということになる。
また、同じ状況でアゲンストなら7番、アゲンストが強いなら6番を持つこともありえる。そして、小細工せずに「普通に打ってください」と中井は続ける。
「風が強いからといって低い球を打とうとしたり、ティアップの高さを変えてみたりと工夫をするのはミスにつながる危険性があります。普段からそのショットを練習場で練習しているならともかく、練習していないショットにコースで挑戦しても成功する確率は低い。だからこそ、スウィングはなにも変えずに、番手だけを上げるのがもっとも有効な対策となるのです」
夏と冬では飛距離が落ちると分かっているものの、2番手上げる勇気はなかなか持てない。しかし、その勇気を持つことができたら、スコアが大きく崩れなくなるのかもしれない。