これは群馬県の吉井カントリークラブの8番ホール。見ての通りグリーン周りはバンカーだらけ。しかもバンカーの砂は柔らかく、アゴも高いため脱出するのも一苦労。しかし、ピンはそのバンカー越えに切られている……。
この状況、みなさんならどう攻めますか?
正解は「2番手大きいクラブを持って持ち球を活かしてセンター狙い」だ。
なぜこの選択が正解なのか。出題したプロゴルファー・中村修は、「この状況ではアゲンストの場合は曲がり幅が大きくなることを理解しておくことが重要です」という。
「アゲンストの場合はフェードなら右へ、ドローなら左へいつもより大きく曲がります。そのためターゲットに対してストレートに打ってしまうと、仮に曲がってしまった際に、その曲がりが想定よりも大きくなり、グリーン周りのバンカーに入ってしまうなど想定していない結果になりやすいんです。なので、まずは冬とアゲンストで球が飛ばないことを考えて、2番手大きいクラブを選択。そのうえで、その日の球筋や、自分の持ち球を活かして、『曲げる』と決めて打つほうが正解になるんです」
そしてもちろん、曲がり幅が大きくなるわけだから、狙い方は極端になる。
「たとえばフェード系だった場合、いつもなら1ピン~2ピンくらいの曲がり幅をイメージなら4ピンほど曲がるイメージを持ってグリーン左目を狙ってセンターに寄っていくように考えましょう。ただ今回のように右ピンの状況でドロー系で狙っていく場合は、グリーンを外して打っていかなければなりません。それではそのまま右に抜けたときのリスクが高すぎますし、自分自身にプレッシャーを必要以上にかけてしまいます。なので、グリーン右目を狙って、センターより左にいってもOKと考えて攻めていくのが最善。比較的、フェード系のほうが狙いやすい状況とは言えますね」
ただ、難しいのは、アマチュアの場合わかっていてもついついピンを狙ってしまうという点。どうすれば狙った方向に打ち出していけるのだろうか。
「タイガー・ウッズは狙いを定めるときに空中にウインドウ(窓枠)をイメージし、そこを通すように打つそうです。これはアマチュアゴルファーにも参考になって、窓枠を通すように打とうとするとターゲットに対して構えやすくなるはずです」という。
タイガーのように狙った枠を射抜く……のは難しくとも、狙った方向にだいたいでも打ち出すことができれば怪我は減るし寄るチャンスも増えるから、ぜひ参考にしたい。
寒い季節は風が強い日が多く、アゲンストの状況も多いはずだ。そんなときは、狙い打ちたいパー3の難易度も跳ね上がる。思い切って大きめの番手を選ぶだけでなく、自分の持ち球を把握してターゲット決め、“曲げ球”で攻めてみてはいかがだろうか?