みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフ雑誌にはいろんなレッスンが載っていますが、どうしてもすぐに反応してしまうのが「飛ぶ!」って文字。やっぱ飛ばしたいんですよ。ゴルフは飛距離じゃないって分かっているのですが、やっぱ飛んだほうが間違いなく楽しいじゃないっすか。
週刊ゴルフダイジェスト1/26号に”「飛ばし練」大追跡”という記事がありました。その中で世界ランキング1位になったことのあるリディア・コーがやっている飛ばしのためのルーティンが紹介されていました。それをやるだけで飛距離が10ヤード伸びるのだとか。ルーティンを変えるだけで10ヤード飛ぶ? そんなうまい話があるのでしょうか? とりあえず試してみることにしました。
リディア・コーがやっているルーティンってのが「ギッタンバッコン」。え? ギッタンバッコンって悪いスウィングのときに使う言葉じゃないんですかね? テークバックで右に動きすぎて、インパクトで左に動きすぎるという悪い動きが「ギッタンバッコン」じゃないのかな? それで飛距離が伸びるんでしょうか?
実はリディア・コーのやってるのはテークバックの前にギッタンバッコンして、右に動くときの反動でテークバックを上げて、あとは左に踏み込んで振り切るだけ。これはドラコン選手がよくやる動きをお手本にして取り入れたらしいのですが、実際に彼女は試合でも飛ばしたいときにはこの動きをやっているそうです。これをやることで左右の体重移動と地面反力が使えるようになり、ヘッドスピードが上がるのだとか。
さっそくやってみましたが、当然ながらギッタンバッコンするだけなら簡単です。まずはアドレスの位置から体を右に傾けるわけですが、このときに左足が浮くくらい右に体重をかけます。そこから今度は右足が浮くくらい左に体を傾ける。もう一度右に左にと体を揺らせて、左に傾いたところから右足を地面に下ろした反動でバックスウィング。自然とトップは深くなり、あとはややアッパーブローに振るだけ。フィニッシュも大きくなります。
たしかにスムーズに始動できて、リズムよくスウィングできる感覚はあります。実際に計測してもヘッドスピードは少し速くなるようです。でも素振りだけならとてもスムーズに振り切れますが、いざボールを打つとなるとこれがなかなか難しい。ちゃんとボールに当たるかってのが不安になってしまうんですよね。それでボールに当てに行ってしまうと意味がないわけです。
インパクトで上体も一緒に左に動いてしまうとミスショットになるので、左に踏み込んでも上体は残しておかないといけません。最初は上手く当たらなかったのですが、何度かやってるとだんだん動きの中でボールを捉えられるようになってきました。
ヘッドスピードが本当に上がっているのか測ってみました。普段のスウィングだとだいたい41m/sくらいなのですが(この計測器キビシー!)ギッタンバッコンで振ると43m/sが出ました! いままでマン振りしてもなかなか43m/sって出なかったので、たしかにヘッドスピードは速くなるようです。
ただこれをラウンドで実際に出来るかと言われるとかなり難しそうです。おそらくヘッドスピードは速くなっても芯で捉えることが難しいでしょうね。いくら速く振れてもミート率が下がってしまっては飛距離は出ないですからね。
でも練習としてギッタンバッコンを取り入れるのはとてもいいと思いました。練習のときには芯に当たらなくてもいいからなるべく大げさにやってみるといいかもしれません。この記事の解説をやっている吉田直樹コーチも言っていますが、本番のラウンドではシューズの中だけで左右の移動を意識するくらいで取り入れてみるといいんじゃないでしょうか。しかしこれを試合の中でできるリディア・コーってやっぱ凄いな~と思いました。