なにかのきっかけで飛距離アップに成功!ところがしばらくすると元どおり……この現象は一体なぜ起きてしまうの?その原因と解決法をプロゴルファー・石井忍に聞いてみた。

レッスンを受けたり、YouTubeや雑誌を見て試してみたり……ゴルファーは、さまざまなきっかけで飛距離アップを果たす。「おれも飛ばし屋の仲間入りだ!」と思ったのもつかのま、しばらくすると元の飛距離に戻ってしまう……。

その原因を、石井は「動作の慣れ」にあるという。

「様々な工夫をして、一時的に飛ばせるようになっても、結局元に戻ってしまう。その一番の要因は“動作の慣れ”です。つまり自分が今まで練習してきたクセが抜けずに、元へ戻ってしまうということです」(石井、以下同)

画像: 伸びた飛距離が元に戻ってしまった!これって一体なぜ起きる?(撮影/田中宏幸)

伸びた飛距離が元に戻ってしまった!これって一体なぜ起きる?(撮影/田中宏幸)

「飛距離を伸ばすためのドリル」に取り組んで、10ヤード飛距離が伸びたとしよう。多くの人は、「飛距離が伸びた! 成果が出たぞ」と、伸びた時点でそのドリルをやめがちだ。

しかし、これでは飛距離は高確率で元に戻ってしまう。言い方は悪いが、それは付け焼き刃にすぎず、じきに元のクセが顔を出してくる。それを防ぐためには、飛距離アップに成功した要素を「継続的に取り入れる必要がある」と石井は言う。

コロナ禍以前、プロのトーナメントの練習場では継続的にひとつの練習をシーズンを通して続けるプロたちの姿がよく見られた。プロですら、悪癖を克服するためひたすら同じことを繰り返す。ましてやアマチュアをやなのだ。

とはいっても、毎日のように練習場に通えないアマチュアゴルファーたちも多く“継続的に”取り組むというのはハードルが高い。次善の策として、「伸びた数値を把握することが効果的」だと石井は語る。

「飛距離はヘッドスピード、ボールスピード、出球の高さ、スピン量で決まります。そのうちのどの数字が良くなったから飛距離が伸びたのか、それを知ることは重要ですし、それができない場合はスウィング動画を記録しておくことが大事です。飛距離アップしたということは良いスウィングができているということ。それに対して『なぜいいのか』と、いい要因をしっかり把握することが必要ですし、それができたら伸びた飛距離は維持できると思いますよ」

せっかく伸びた飛距離が元に戻ってしまった!という経験をしたことあるゴルファーは少なくないはず。それを維持するためには、絶え間ないメンテナンスが必要ということだ。

逆にいえば、ひとつのことをコツコツ続ければ飛距離を継続的に伸ばすことは可能。「なんか前より飛んでない?」そう言われるチャンスはいつだってあるのだ。

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