昨年12月息子チャーリーくんとのペアでPNC選手権に出場し父親らしい柔和な表情を見せたタイガー。その直後彼は腰の神経の痛みを緩和するため椎間板切除手術(マイクロサージェリー)を受けている。
伝えられるところによると術後間もない12月23日には練習を再開しているというから経過は良好な様子。2017年に受けたフュージョン手術の成功で奇跡の復活を遂げたのだが、手術によって脊椎が固定されたため腰の柔軟性が損なわれ痛みが出ていたという。
術後の経過は良いが得意のファーマーズインシュランスからホスト大会であるジェネシス招待(2月18日開幕)までの欠場を表明。復帰戦は3月11日から行われるプレーヤーズ選手権が有力視されているが確定ではない。
そんな中タイガーのトリーパインズでの戦いがどれほど凄かったのかをPGAツアーのオフィシャルサイトが取り上げ、優勝を争った選手たちの貴重な証言を掲載している。
タイガーがデビュー間もない1999年の初優勝のとき最終日最終組でV争いをしたのがビリー・レイ・ブラウン。最終18番でタイガーが鮮やかなイーグルを決め大会初制覇したのだが、ブラウンはこう語る。
「18番はティショットからして音が違った。大袈裟じゃなく200ヤード先に行かれた感じだった。
セカンドで彼が手にしたのは7番アイアン。酷いライだったけどボールの行方を見失うほど高い球できっちりピンそば60センチに寄せたよ。それを見た瞬間、嘘だろ? って思ったね。横を通ったらこっちを見てタイガーがニヤリと笑った。いまの良かったでしょ、おじいちゃん! っていわれた気がした」
2007年の優勝争いの相手チャールズ・ハウエルⅢの証言はこうだ。「最終日の9番(パー5)でもの凄いのを見た。ドライバーも3番ウッドもモンスター級だったけど12メートルのパットがカップ手前3メートルまで転がったところで彼は派手なガッツポーズをしたんだ。もちろん入ったよ。イーグル! トリーパインズのタイガーの真骨頂を見たね。ギャラリーの騒ぎったら凄かった」
2008年は年間2回トリーパインズ(全米オープンとビューイック招待)で試合が開催されているがビューイックでタイガーを目撃したスチュワート・シンクはこう振り返る。
「最終日に一緒だった。タイガーはまるで練習ラウンドをしているような雰囲気だった。淡々とすべてのショット、すべてのパットを同じペースで打つんだ。1メートルも6メートルのパットも変わらない。状況によって僕らは心拍数やホルモンの分泌が変わるものだけれど、どんなときも平然と生理現象までコントロールできる彼の強いメンタルに驚かされた」
その大会でタイガーは8打差の圧勝。ちなみに2位に入ったのは今田竜二だった。