自分のスウィングにマッチしたシャフトにリシャフトすれば、飛距離も方向性も良くなる……のは間違いないが、これが簡単でないのもまた事実。ゴルフ工房の店長に失敗しないシャフト選びのコツを聞いた。

東京は二子玉川にある「ゴルファーズメディアラボ」で店長を務める佐野好太氏。コロナ禍の緊急事態宣言下の昨年4月からYouTubeにフィッター視点での内容を配信したところ、コメント欄での質問や問い合わせが殺到したという。

シャフトの特性を4つのゾーンに分類することによってスウィングタイプに合わせたフィッティングが可能になる。それが佐野氏の考えだ。

画像: シャフト特性を4つゾーンにマッピングすることで正確なフィッティングを可能にした東京二子玉川にあるフィッティングスタジオ「ゴルファーズメディアラボ」の佐野店長

シャフト特性を4つゾーンにマッピングすることで正確なフィッティングを可能にした東京二子玉川にあるフィッティングスタジオ「ゴルファーズメディアラボ」の佐野店長

4つのゾーンとはなにかといえば、縦軸はシャフトの手元側が硬いか、軟らかいか。横軸は先端側が硬いか、軟らかいがでシャフトを分類するというもの。

図1をご覧いただきたいのだが、A-A型は手元も先端も硬い、A-B型は手元が硬く先端が柔らかい、B-A型は手元が柔らかく先端が硬く、B-B型は手元も先端も柔らかいといったように、既存のシャフトを4つのゾーンに分けるという考え方だ。

画像: 図1:シャフトの手元側と先端側の剛性分布を元に縦軸に手元側の硬さ、横軸に先端側の硬さで4つのゾーンに分類(制作:佐野氏)

図1:シャフトの手元側と先端側の剛性分布を元に縦軸に手元側の硬さ、横軸に先端側の硬さで4つのゾーンに分類(制作:佐野氏)

「やはり重要なのは切り返しのテンポです。切り返しのテンポが速く、一気に力を入れるタイプは手元が柔らかいとしなり戻りが遅れて振り遅れたり、それを嫌がって引っかける傾向にあるので手元硬めがお勧め、といった具合です」(佐野)

切り返しのテンポとシャフトの特性が合わないと、せっかくのヘッドやシャフトの性能を引き出すことはできないし、ミスの原因ともなるわけだ。

また、シャフト選ぶ際は、ドライバー単独ではなく、その他のクラブとのマッチングまで意識すべきだと佐野氏は言う。

「一般的なアマチュアゴルファーはショップで試打して購入するケースがほとんどだと思います。特にドライバーだけ購入する場合は、ドライバーだけ試打して判断しますが、やはりアイアンからドライバーまでのシャフト特性を合わせることが重要です」

たとえば、アイアンのシャフトを手元も先端も硬いA-A型を使っていた場合、ドライバーもA-A型、または隣接するA-B型、B-A型を選ぶことでドライバーからアイアンまでの振り感をそろえことにつながるという。下記に代表的なシャフトを4ゾーンに分類したマップ(図2)を掲載するので、参考にしてみよう。

画像: 図2:代表的なアイアン用、ドライバー用のシャフトをマッピングしたもの(制作:佐野氏)。アイアンからドライバーまで隣接したゾーンで揃えることが重要

図2:代表的なアイアン用、ドライバー用のシャフトをマッピングしたもの(制作:佐野氏)。アイアンからドライバーまで隣接したゾーンで揃えることが重要

もちろん、実際のフィッティングにおいてはシャフトの長さや重量、そして組み合わせるヘッドの特性も非常に重要な要素となる。ただ、手持ちのセットのシャフト特性を確認し、どのゾーンに分類されるかをみることでミスショットの原因がわかる可能性はある。

シーズンインを前にセッティングを煮詰めるのも面白そうだ。

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