現在東北福祉大学の4年生。プロデビュー3戦目のダンロップフェニックスですでに優勝しており、アマチュア時代には三井住友VISA太平洋マスターズで勝ち、本家マスターズにも出場している。
プロデビュー以降国内ツアーでは4戦1勝、ベスト10入り3回と抜群の安定感。ダンロップフェニックス優勝の資格でPGAツアーのソニー・オープン・イン・ハワイの出場権を得たときには「なんなら優勝してそこで(PGAツアーの)シードを決めたい」と意外にも強気なセリフを口にしていた。
あいにくソニー・オープンでは思惑が外れ予選落ちに終わったが今回欧州ツアーの開幕2戦目で最終日にスコアを伸ばし22位から9位へと順位を上げ初挑戦らしからぬ堂々たるプレーを披露した。
アマチュア時代から金谷は松山英樹の背中を追いかけてきた。アジアパシフィックアマに優勝しマスターズの出場権を掴み、アマチュア世界ランク1位になりVISAでプロの大会をアマチュア制覇。これはまさしく大学の先輩でもある松山が辿った道。
「監督によると松山さんも大学に入った頃は華奢だったらしいです。でも学生時代にたくさん食べてトレーニングしてどんどん体重を増やした。自分もそれにならって1日5食とか食べて体を鍛えて62キロから75キロまで増やしました」
とはいえ松山をコピーするつもりはない。持ち味である「最後まで諦めずにプレーする」スタイルを貫き「泥臭く」1つでも良いスコア、1つでも上の順位を目指すという。
いくら海外志向が強くてもPGAツアーでプレーするにはまず下部ツアーのコーンフェリーツアーに出場するためのQTを受け、そこで成績を出して賞金ランク上位に入り入れ替え戦でも上位に入らなければレギュラーツアーで戦うことはできない。
小平智のようにスポット参戦した大会で優勝すれば話は別。勝った瞬間、向こう2年間のシード権を獲得することができる。金谷がソニー・オープンの前に「なんなら優勝して」という言葉を口にしたのもPGAツアーに最短コースで行きたいから。
アジアやヨーロッパ、どこでも出られるチャンスがあれば出て結果を残し世界ランクトップ50以内に入れば益々道は拓ける。現在金谷のランクトップ100まであと一歩(120位台)のところ。彼なら今後もあらゆる道を模索しながら“しぶとく”、“泥臭く”世界を目指してくれるはずだ。