先日USGAとR&Aが公開した用具規則の変更案。最大クラブ長を48から46インチにしたり、クラブ・ボールの適合テストの基準を一部変更するなどの“飛ばし規制”が検討されている現状だが、この問題に対し、今週末開催の欧州ツアー「サウジインターナショナル」に出場するブライソン・デシャンボーが、現地メディアに自身の見解を述べた。

昨年著しい飛距離アップを見せたブライソン・デシャンボー。肉体改造による圧倒的な飛距離が注目を集め、今シーズンも平均飛距離329.2ヤードで堂々の1位。しかも2位のロリー・マキロイと7.5ヤードもの差をつけてだ。

肉体改造に加え、さらなる飛距離アップのため昨年から48インチドライバーのテストも続けており、飛距離アップへの探求心の高さが伺える。そんなデシャンボーにとって、先日発表された用具規則の変更案は向かい風になるのか? と思いきや、そうでもない様子。

画像: ブライソン・デシャンボーは用具規則の変更案に賛成の姿勢を見せた(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ブライソン・デシャンボーは用具規則の変更案に賛成の姿勢を見せた(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

今週末開幕の欧州ツアー「サウジインターナショナル」に参戦予定のデシャンボーは、現地メディアから用具規則の変更案に関してコメントを求められると「(変更案に)同意する」と回答したのだ。

その理由は「人的要素には変更を加えていないから」。そう、あくまでデシャンボーの飛距離アップは肉体改造の結果。大幅なスウィングスピードアップに合わせて、ロフトをかなり立たせたヘッドを使用してはいるものの、シャフト自体は45.5インチと標準的な範囲に収まっているのだ。

さらには、もし発表された変更案がそのまま採用されれば「私にとっても恩恵がある」とデシャンボーは語る。なぜなら、デシャンボーだけでなく、すべてのプロたちが長尺ドライバーを使用できなくなるからだ。

「私はまだ45.5インチのドライバーを使っていますが、ボールスピード200マイル/時(約89.4m/s)以上のスウィングを可能にしています。(クラブ長の規制が実現すれば)ボールスピードを上げるのは今よりもっと難しくなるでしょう」(デシャンボー)

もちろん長尺ドライバーを扱うにはそれ相応の技術が必要だが、使いこなせればスウィングスピード、ひいては飛距離を上げる手っ取り早い手段であることもたしか。実際にフィル・ミケルソンやアダム・スコットらは、デシャンボーの飛ばしを意識してか、昨年から長尺ドライバーの実戦投入に踏み切った。

それが規制されるとなれば、デシャンボーの飛距離に追いつくための手段が一つ失われるわけだ。そして用具でスウィングスピードを上げられないのなら、あとはデシャンボーのように肉体を鍛え上げるしかない。「(変更案が採用されれば)誰が一番努力して、より速くスウィングできるかが重要になってきます。それは素晴らしいことだと思っています」とデシャンボーは言う。

用具の規制によって、今まで以上にフィジカル面が重視されるとしたデシャンボー。いずれにせよ、発表された変更案がそのまま採用されるかはまだ未定の状態だ。今後も引き続き注目していきたい。

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