カリフォルニア州サンディエゴで行われたファーマーズインシュランスオープンで37位タイフィニッシュしたジャスティン・スーは獲得賞金3万4125ドル(約360万円)の半分をツアーに返還した。
地元カリフォルニアに生まれUSC(南カリフォルニア大学)のゴルフ部時代はオールアメリカンに選ばれたこともある23歳は現在PGAツアー傘下のラテンアメリカツアーに参戦中。当初ファーマーズインシュランスに出場権はなかったが主催者推薦が決まり参戦のチャンスをつかむと「賞金を稼いだら寄付すると試合の前から決めていた」。
カリフォルニアは全米でもコロナ感染者がもっとも多いことで知られている。スーの両親は同州のサンノゼでレストランを営んでおり、妹はサンフランシスコ(カリフォルニア州)で働いている。現在本人はラスベガス(ネバダ州)在住だが故郷の惨状に触れいたたまれない気持ちだったという。
「繁華街にテントが張られ、多くの商店がクローズしている。目を覆いたくなる現実にショックを受けた。去年もスポンサー推薦でファーマーズに出場させてもらって今年2年連続で出るチャンスを得た。トーナメント側が僕ら選手に最大の配慮をしてコロナの検査をし、安全に試合ができる環境を整えてくれた。だからその一端を自分も担えればと思ったんだ」
寄付をしたのはスーだけではない。帯同キャディのA.J.モンテシノスもスーから支払われた報酬の半分を寄付。2人の好意にトーナメントディレクターのマーティ・ゴーシック氏は「こんなことは初めてだ」と感嘆の声を上げた。
「2020年は異常な年だった。愛する人を失った友達もいるし本当に悲しい。パンデミックが我々のコミュニティに及ぼした影響は計り知れない。でも前を向くしかない。微力でも自分ができることを粛々とやるしかない」(スー)
一昨年プロに転向したばかり。ラテンアメリカツアーで武者修行を続けるスーの前途に幸多かれ。