初心者がコースに行ってまず驚くことのひとつに、コースにつけられた起伏がある。練習場の平らなマットから打つのだって大変なのに、傾斜地となればどうやって打てばいいのかさっぱりわからない!そう思うのも無理はない。
とはいえ、スコア120の壁を超えるには、ある程度傾斜も対処しておく必要がある。まず知っておくべきは、ゴルフ場には大きくわけてつま先上がり、つま先下がり、左足上がり、左足下がりの4つの傾斜があるということ。
それぞれに打ち方のコツがあるが、兼濱は、「まずは初心者ゴルファーがもっともよく打つ傾斜の打ち方を覚えましょう」という。
「ホールはすり鉢型に作られていることが多いため、基本的にはホールの右側はつま先上がり、左側はつま先下がりのライになりやすいんです。初心者ゴルファーは、ボールが左から右に曲がるスライサーが多く、右側の傾斜にボールが行きがち。すると、次打で『つま先上がり』から打つことになるわけです」
だからこそ「つま先上がりが打てると、スコアを縮めやすくなる」という。では、具体的にどうしたらいいのか。
「まず平らな場所に比べて、つま先上がりはボールとの距離が近くなりますから、クラブは短く持つようにしましょう。その次に気をつけたいポイントは“方向のとり方”です。詳しい説明は省きますが、つま先上がりではクラブのフェース面(ボールを打つ面)が左を向きやすく、ボールが左に曲がりやすくなります。なので、狙いをちょっと右にとるのがポイントなんです」
その上で、番手選びにも工夫が要る。
「つま先上がりではフルショットがやりにくくなります。そのため、もし自分のクラブの番手ごとの飛距離を把握しているとしたら、平地で持つよりも2番手大きいクラブを持つといいと思います。短く持って、フルスウィングはせず、スリークォーターくらいの振り幅でスウィングするのがいいでしょう」
また傾斜によって適切なボール位置は変わってくるため、素振りをしてソールが地面に触れるところを大体でいいので確認するクセをつけておくこともひとつのポイントだとか。
練習場では傾斜の練習をすることができないが、「2番手上げたクラブで、ターゲットより右に構えて、短く持ってスリークウォーターショットをする」というようにつま先上がりでの決めごとがあれば初心者ゴルファーにとっても心強い。
つま先上がりにボールが止まったら、ぜひ試してもらいたいテクニックだ。
撮影協力/広尾ゴルフインパクト