ボールが打ち出る方向とヘッドが動く方向は別
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。今まで何回も書いたかもしれませんが、やっぱりゴルフのスコアを作るのは小技なんです。プロだってバンバンパーオンしてくるわけじゃないので、いかにそれを拾っていくかってのが大事になってくるわけです。
プロの中でも「名手」と呼ばれる人が何人もいますが、やっぱり僕の世代的にはアプローチといえば丸山茂樹プロなんですよ。あのタイガー・ウッズが「どう打ったの?」なんて聞いてきたってんだから、世界的にもアプローチの名手と認められていたんでしょうね。
そんな丸山プロが週刊ゴルフダイジェスト2/16号の「丸山茂樹アプローチの流儀」とういう特集でテクニックを披露してくれていました。これはもう試すしかないでしょってことで、さっそく丸山流のアプローチをやってみました!
まず丸山プロのアプローチのイメージですが、理想は「アンダースロー」でボールを投げたときのようにフワッとボールが浮き上がり、柔らかく落ちてスーッと転がる球筋なんだそうです。日本でプレーしていたときはハンドファーストで右手で押し出すようなアプローチをしていたらしいのですが、アメリカでプレーするようになって、ボールが沈む洋芝ではその打ち方では対応できないと思いイメージチェンジしたんだとか。柔らかく打てるようになると、いろんな状況に対応できるようになったそうです。
その打ち方ですが、いちばん大事なのは手先ではなく「体幹」を使ってリズムよく打つこと。リズムは人によって違いはあると思いますが、毎回1・2・3と同じリズムで打てることが大事。練習場のマットでもいいので、一定のリズム、一定の力加減で同じ距離を打つ練習というのをやったほうが良いと丸山プロは言っています。
今回の丸山プロの記事の中で僕が一番タメになったのは「ボールの出る方向とヘッドの出る方向は別」ということ。これはどういうことかと言うと、アマチュアはヘッドをターゲット方向に対して真っすぐ動かそうとしている人が多いのだとか。これがザックリや2度打ちの原因だと丸山プロは言います。ではどうヘッドが動けば良いのでしょうか?
まずアプローチのアドレスでは胸はボールに正対(目標に対してスクエア)しますが、腰とスタンスはオープンになります。いわゆる開いて構えている状態ですね。この開いた足元の方向にヘッドを振り抜いていくんです。そうすることで自然な軌道でボールをつかまえられるわけです。腰を開いて構えたことで左腰の前のスペースを活かせができるので、インパクト後に手元がそこに向かいやすくなり、自然と左に振っていけるようになるんです。
アプローチ練習場でさっそくやってみましたが、たしかに今までのアプローチだと目標方向にヘッドをついつい出してしまっていたようです。そうしないと方向性が悪くなる気がしてたんですね。せっかく開いて構えていたのに、左腰の前のスペースを活かせてませんでした。しっかりと左に振れるようになってくるとインパクトが安定して、打ち出された球も同じような高さやスピードで飛んでいくようになってきます。
僕がやってみて大事だなと思ったことは、やはり手先を使わず体幹で打つことですね。体の回転と腕を一体にして振ることで自然と左サイドに振り抜いていけます。クラブの入射角やスピードも一定になるので安定感が増しますね。胸と腕の関係を変えないようにフィニッシュまで振って行くことが大事だと思いました。それができているかどうかは、フィニッシュのときにクラブが胸の前にあるかどうか。体の正面にクラブが収まっていれば体の回転で左に振れた証拠です。
そしてリズムって本当に大事なんだなということも感じました。1・2・3とカウントしながら打ってみると、意外と2と3の間が早くなってしまうことに気づきました。切り返しから打ち急いでしまうんですね。僕の場合は切り返しを少しゆっくりするくらいで、ちょうど同じリズムで打てるような感じでした。リズムが早くなるとトップしてしまうことが多いのですが、同じリズムで打てるようになってくると、インパクトがかなり安定しました。
このアプローチ、そんなに難しい打ち方ではないので、少し練習すればそこそこ打てるようになると思います。とにかく手を使わずにリズムよく打つこと。柔らかい球が打てるので距離感も出しやすいです。左腰の前のスペースに振り抜いていく感覚さえつかめれば、ミスも少なくなってくると思います。丸山茂樹プロ直伝のアプローチ、ぜひ試してみてください。