「理由は2つあります。ひとつ目はそもそもアマチュアゴルファーの方は練習量が少ない中で使う回数の少ないロブショットの練習をすることはあまり効率が良くないという点。ふたつ目はロブショットが特殊な打ち方のため、普通のショットに悪影響が出て飛ばなくなってしまう危険性があるからなんです」
ロブショットはフェース開いて、ひじを左へ抜くように使いながらカット軌道で打つ……というように特殊な打ち方を求められるがこれらはすべて「ボールを“飛ばさない”ための動き」だと小池は言う。
「普通のショットでは、ロブショットの動きとは逆に、ボールをつかまえる動作が必要になります。つまり、飛ばさないための要素が詰まったロブショットの練習をすることで、普通のショットでもアウトサイドイン軌道が強くなり、飛ばなくなる可能性があるんです」
たしかに、ロブショットの基本は大きいスウィングでヘッドスピードを上げつつ、ボールを前ではなくて上へと飛ばす打ち方だ。
「もちろん70台、80台を目指すゴルファーであれば技術向上のためにロブショットの練習を取り入れることは大切です。しかし、100切りを目指しているゴルファーであれば、まずはスウィングの形を作るためにインパクトでつかまえる動作を覚えたほうがいいんです」
では、どうすればつかまえる動作が身につくのか。小池によれば、「30ヤードのアプローチ」を練習するのが効果的だという。
「飛ばすためにはボールをつかまえる動作が大切ですが、それを身につけるには30ヤードのアプローチが最適です。ポイントは、小さい振り幅のなかで体をしっかり回してフック回転をかけるイメージでフェースローテーションを入れていくこと。そうすることで、フルショットしたときにボールをつかまえていく感覚が磨かれ、飛距離もアップしますし、上達にもつながると思います」
ちなみにその場合の球筋はオーソドックスなピッチ&ラン。100切りを目指すゴルファーが練習するなら、アプローチはロブショットではなくピッチ&ランが良さそうだ。