みなさんは「オートフレックス」というシャフトをご存じでしょうか? PGAツアーで戦うアダム・スコットがドライバー用シャフトを実戦投入したことで注目が集まっていて、日本での発売も先日発表されたばかりのシャフトです。
韓国のデュミナ(Dumina)社のモデルで、ざっくり言うと軽量かつ柔らかめでしなりの量が大きいのが特徴のシャフト。実は海外では以前から話題になっていて、とくにシニアやレディース層から、そこそこ振れる方まで幅広く使えるシャフトとして大人気。ヘッドスピードがすごく上がるという評価をされていました。
しかしそれはアマチュアゴルファーの間での話。トッププロが実戦投入したのには僕もビックリしましたね。スコットはもともと、ちょっとしなりが入るベンタスレッド(日本未発売)を使っていましたが、オートフレックスはそれよりもかなり柔らかいし、しなります。
ちなみにスコットが使用しているドライバー用シャフトの中でもっとハードなスペックの「SF505XX」(日本では未発売)でも57グラムとかなり軽い部類。PGAツアー選手ってドライバーシャフトは軽めでも60グラム台から、70~80グラム台を使うっていうイメージがあったので、そこも驚きましたね。
スコットはオートフレックスのどこが良いと思ったんだろう? と気になっていましたが、先日たまたまオートフレックスを使用しているお客様がいらっしゃって、僕も打たせていただきました。
そのお客様は女性の方で、使用していたのは「SF405」。重量は44グラム(今後発売される日本仕様では43グラムとなっていました)、適正ヘッドスピードは約38~45m/sという設定のモデルです。
僕には適正スペックではないのでヘッドスピードを40m/sくらいまで落として振ってみましたが、計測データ上のヘッドスピードは41.5~42m/sくらい。たしかにしなりのおかげで加速している感じがします。そのお客様も、ヘッドスピード40m/sにギリギリ届かないかなくらいのかなり振れる方なのですが、オートフレックスのシャフトだと最高で43m/sくらいまで出ていましたね。
試打してみてスゴイなと思ったのが柔らかくしなるのに、振り遅れないということ。スウィング中にしなったシャフトが切り返しからダウンスウィングでしなり戻り切らずにインパクトを迎えてしまい、ミスショットになる、というのはしなりやすく柔らかめなシャフトにありがちですが、オートフレックスは不思議としなり戻りがすごく良くて、そういったことが起こらないんですよね。計測では打ち出しも高かったですし、曲がり幅・スピン量も低めでした。
一方でデメリットを挙げるなら、スコットのようにドライバーシャフトのみに採用する場合、1本だけ軽量かつ柔らかいシャフトになるわけなので14本のクラブの流れがおかしくなる危険性があります。
ただ、それでもスコットはドライバーのみオートフレックスを採用しています。しかもドライバー以下のクラブの重量帯に大きな変化はないままに。これはスコット自身の腕がスゴイのか、はたまたオートフレックスのタイミングが取りやすくて1本だけ柔らかくても違和感が生じにくいのか。この問題については僕自身が適正スペックで試打できていないので何とも言えない部分ではありますが……。
あとは単純にお値段ですね。日本ではドライバー用シャフトで1本9万1300円(税込)。シャフトどころか最新ドライバーを購入してもお釣りがもらえるくらいお高めです。
ただ、海外のアマチュアから高い人気を集めている理由も納得できる性能だと僕自身、試打して感じました。日本では3月1日より発売されるそうなので、機会があれば試してみてください。