みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。JLPGAで2020年シーズンに活躍した女子プロといえば、何人か思い浮かぶと思います。プラチナ世代の古江彩佳プロや笹生優花プロの活躍も記憶に残っていますが、やっぱ僕的にはメジャー2勝の原英莉花プロの印象が強いです。
原プロといえばジャンボ尾崎プロの愛弟子。月刊ゴルフダイジェスト3月号の「エリカ好みのジャンボ巻き」というページによると、原プロがジャンボ尾崎プロが長年愛用してきた「ジャンボ巻き」と呼ばれるグリップの下巻きを継承したらしいんです。そもそもジャンボ巻きって何? どういう効果があるの? ってことで、さっそく知り合いの工房でジャンボ巻きをしてもらって、どういう効果があるのか試してみました。
「ジャンボ巻き」というのは、グリップの下巻きを何重にも重ねるジャンボ尾崎プロ独自の下巻きのこと。特に左手の部分とグリップの下側に多くテープを重ね、通常のグリップよりも2ミリも太く仕上がります。使うテープの量はなんと通常の6倍の長さ。
左手の握る部分が太くなるため、密着率が高くなりスウィングが安定する効果があるとか。他にも左手部分が太いことで手首を返す動きが弱まり、引っかけやチーピンが防げる効果がある。また手元側の重量が重くなることで、グリップが体の近くを通るようになり、ヘッドにより遠心力が働きヘッドスピードが上がる効果もあるらしいです。
僕がいつもお世話になっているアフターゴルフさんで、記事にあった通りに下巻きしてもらいました。いつもは普通に螺旋巻きしてもらっているだけなので、それに比べるとかなり作業が大変そうでした。
出来上がったグリップを見ると、あきらかに太い! 特にグリップエンド部分はかなり太く、しかもバックラインがかなり強調されています。グリップしてみると、かなりのフィット感にちょっと驚きました。
右手部分は普通のグリップと変わらないのですが、左手はグリップと手のひら、指の間にまったく空間がないといってもいいくらいのフィット感。でもこの太さは僕にはギリギリで、これ以上太いと握りにくくなるかも。
ボールを打ってみましたが、左手のフィット感が高いので、手にムダな力が入らない。これはついつい手に力が入って力んでしまう僕には良いかもしれないですね。ただ、手でクラブを操作する動きができないというか、シャープに振っていくのが僕には難しく感じました。
なので記事に書かれていたように引っかけはたしかに出にくいと思います。逆に言えばボールを捕まえられないスライサーにはけっこう難しくなってしまうかもしれません。ドラコン選手が左手のグリップ部分を太くするという話を聞いたことがありますが、やはりこの「ジャンボ巻き」はハードヒッターで、左が怖い人には使いやすいのだと思います。
グリップエンド部分が少し太くなっているだけならいいのですが、ここまで左手で握る部分全体が太くなると、使い手を選びますね。パワーのない人や手が小さい人はやらないほうが良さそうです。原プロは僕と身長がほぼ同じなのですが、女性でこのグリップを扱えるってのは、やっぱアスリートなんだな~と感心しました。
今回はドライバーのグリップを「ジャンボ巻き」にしてみましたが、これね、アイアンにしてみるのもアリなんじゃないかと思いました。アイアンは飛ばすよりも安定感が大事なので、このグリップは向くんじゃないかと。
一度アイアン全部「ジャンボ巻き」にしてラウンドしてみたいな~って思ったりするけど、このグリップ巻いてもらったアフターゴルフさんが「全部のクラブこの巻き方とか頼まれたら大変だな~」ってつぶやいてたので、怖くて頼めないです(笑)。使い手を選ぶ「ジャンボ巻き」ですが、一度試してみると新しい発見があるかもしれませんよ。