タイガー・ウッズがホストを務めるジェネシス招待でトニー・フィナウとのプレーオフを制したマックス・ホマが優勝。地元カリフォルニア出身の30歳は「ここで勝つのが夢だった」と感極まって男泣き。憧れのタイガーからトロフィーを渡されるという至福の瞬間に歓喜した。

ゴルフに関する初めての記憶が97年のマスターズ。プロデビュー2年目のタイガーが後続に12打差をつけ伝説の扉を開いたあの一戦である。当時6歳のホマはテレビ画面に釘付けになり「なんてカッコいいんだ」と感動。以来彼にとって唯一無二のヒーローがタイガーとなった。

そのタイガーは12月に受けた腰の手術が回復しておらず欠場。だがゲストとして放送席で試合を観戦。ホマはそれがわかっていたから「タイガーの前で下手なプレーはできない」とプレーオフ1ホール目の10番(パー4)でティショットを木の根元に打ち込みながらスーパーセーブ。

画像: ジェネシス招待を制したマックス・ホマ(右)大会ホストのタイガー・ウッズ(左)からトロフィーを受け取った(写真/Getty Images)

ジェネシス招待を制したマックス・ホマ(右)大会ホストのタイガー・ウッズ(左)からトロフィーを受け取った(写真/Getty Images)

2ホール目の14番パー3でフィナウがバンカーにつかまりボギーを叩いたのに対し、パーで収めたホマが子供の頃から慣れ親しんだリビエラCCで19年のウェルズファーゴ選手権以来2年ぶりの勝利を手繰り寄せた。そして直近の3試合で4位、2位、2位のフィナウはまたしても勝てず、3試合連続2位と無冠の王者の道を邁進中。

ホマがマーカーに使っているのは妻レイシーさんが生まれた1991年のコイン。愛妻家である。キャディのジョー・グレイナーさんは6歳のときゴルフ場で出会った幼馴染。日本での知名度は高くないが小平智いわく「ツアーで一番のナイスガイ」。それがホマという男なのだ。

ところでホストのタイガーだが実況中のインタビューで「マスターズに出場できるかどうかはまだわからない」と意味深な発言を行った。果たしてその真意とは?

「プランは未定です。いまは明日を乗り換え前に進むことが唯一のプラン」。そういう彼の表情は明るかったがどうやら術後の腰の状態が思うように回復しておらず十分な練習ができていないらしい。

昨年末、息子のチャーリー君とPNCチャンピオンシップに出場した3日後の12月23日、椎間板切除手術を受けている。これは腰の神経の痛みを緩和するための処置で17年に成功したフュージョン手術以来、腰にメスを入れたのは5回目。ベスト10入りわずか1回に終わった20年は腰の状態が我々が思
っていた以上に芳しくなかったのが原因のようだ。

マスターズまで残り7週間。それまでに十分な練習と実戦の場での予行演習を行うには限られた時間しかない。本人のいう通り復帰は難しいのか? サム・スニードが持つツアー最多の82勝に並んだのが19年のZOZOチャンピオンシップ。誰もが願う83勝目はいつ?

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