いよいよUTが熟成してきた? 進化を強く感じる今年のUTニューモデル
みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。突然ですがみなさんはいわゆるユーティリティ(以下UT)と呼ばれるクラブを使用されていますでしょうか。
日本ではフェアウェイウッドに似た奥行きのある形状をウッド型UT、アイアンの形状に似た形状をアイアン型UTと分類されているフェアウェイウッドとアイアンの中間に位置するジャンルのクラブです。ちなみにアメリカではウッド型UTをハイブリッド、アイアン型UTをユーティリティと呼ばれています。
このUTというジャンルは、クラブとしての歴史は一番新しく、誕生してからまだ30年ほどしか経っていません。しかも最初のころは、現在のようにジャンルが確立していたわけではなく、個別のモデルが数える程度にあっただけでした。
よくUTの元祖と呼ばれるのが、”タラコ”の愛称で爆発的なヒットとなったプロギア(当時は別会社から発売されていた)の「インテスト」。カーボンを使用した今でいうアイアン型UTに当てはまるクラブで、一般のアマチュアのバッグに普通に3番アイアンが入っていた時代に楽にボールが上がって長い距離が打てると多くのアマチュア、特にシニア層に受け入れられました。
UTが市民権(?)を得たのは1990年代後半。リョービの「ビガロスメディア」、キャスコの「パワートルネード」、プロギアの「ズームi」などのクラブが発売されるなど、一気にモデル数が増加。しかし発売当初はいわゆるお助けクラブとしての認識が強く、一部のゴルファーに敬遠されていました。このころは、やさしいクラブを使うのはズルいというか、なんかカッコ悪いなんて空気があったんです。
しかし日本の男子ツアーでUTを使用したプロが優勝したり、海外のメジャートーナメントでも使用されるシーンがTVで放映されるなどといったことがきっかけで「上手い人でもやさしいクラブを使うんだ!」といった認識が広まり、徐々に売れ始め、以後様々なメーカーが作るようになりました。
前置きが長くなりましたが、個人的に昨年ぐらいから発売されたUTは非常に出来が良いというか、とても使いやすいモデルが多いと感じています。どんな球が得意なモデルなのかがわかりやすくなったといえば良いでしょうか。
今年になって発表されたテーラーメイドのSIM2シリーズのレスキュー(UT)やキャロウェイのAPEXシリーズも試打させてもらいました。どちらのシリーズも2モデルずつラインナップされていますが、その高性能ぶりに驚きました。
とくに印象的だったのは、4モデルともそれぞれ明確な意図というか「こんな弾道が打ちやすいです!」とはっきりした作りわけがされていて、自分が欲しい弾道に合わせて選びやすくなっている点。
たとえばSIM2マックスならウッド型で球が上がりやすく曲がりづらい、直進性が高くなったモデル。少しスピンが少なくて球が前に飛びやすいですね。一方APEXはアイアンライクなミートしやすい形状をしつつウッド型のように奥行きもあるモデル。アイアンのように球が上げつつ適度なスピンを伴って安定したスピンが打てるクラブと言えるでしょう。
過去のモデルにもそういった作りわけがされていたモデルは多数あったのですが、最近のモデルはそれぞれの打ちやすい、出やすい弾道に合わせたミスへの寛容性が高めてある印象でより扱いやすくなっていると強く感じますね。昨年ぐらいから、今までUTを使わなかったツアープロが使用するようになったということが話題になりましたが、個人的にはなるほどなぁと勝手に納得しています。
最近はUTもカスタムシャフトの選択肢が増え、より自分に合ったモデルが選びやすくなっています。まだ名前は明かせませんが注目のUTの新製品がもうすぐ発売されると聞いていますし、まだまだニューモデルは出てくるはずなので非常に楽しみです。今年はみなさんのゴルフを変える1本出会えるかもしれませんよ~。