「アンサー」など全11モデル
発表されたのは、ピンの代名詞ともいえる「アンサー」や「アンサー2」型を含む11モデルのパター。パターはドライバーなどに比べテクノロジーの進化が少ない印象を受けるが、ここ数年は異素材を複合させたり、構造的な見直しが進んだことで急速な進化が実は起きている。
ピン2021パターにもそれは言えそうで、たとえば昔からある「アンサー」型でも、フェース側のトウヒールに高比重のウェートを搭載することによって重量周辺配分を推し進めることでコンパクトなヘッドでも慣性モーメントを高め、ミスヒットに強くするなどの工夫を凝らしている。
大型マレットの「オスロ」などでは、軽量のアルミニウムと高比重のソールプレートを組み合わせることで深低重心化。どこかテーラーメイドの「スパイダー」を想起させる形状の「ハーウッド」に至っては、上下左右の慣性モーメントが10000g/cm2を超えているというからすごい。
近年、ドライバーでもヘッドのボディをフレーム化し、クラウンやソール部分をカーボンにして軽量化、生まれた余剰重量を周辺に配分して高慣性モーメント化を図るといった工夫がされているが、それと同じような進化がパターにも起きているようだ。慣性モーメントが高まれば軌道は安定しやすく、ミスヒットにも強くなるから、もしかしたらドライバー以上にゴルファーにとってメリットがあるかもしれない。
形状を駆け足で見ていくと、まずはピンの代名詞ともいえる「アンサー」に「アンサー2」がある。それらに加え、ネックの短い「アンサー4」、四角いヘッドの「クッシン4」、オーソドックスなツノ型ヘッドの「タイン4」、同じツノ型でセンターシャフトの「タインC」、オーソドックスなマレット形状の「DS72」、サイトラインの長いマレット形状の「CA70」、大型マレットの「オスロH」に3本入ったサイトラインが特徴の「フェッチ」、そしてスパイダー的形状の「ハーウッド」がある。
実際にそのうちのいくつかをテストしたプロゴルファー・中村修は言う。
「新しいフェース素材と転がりの良い新溝を採用し、複合素材も駆使したテクノロジー満載のパターですが、見た目は全体にコンパクトでオーソドックスです。テクノロジーを駆使しているとはいえ、アンサー型がマレットのような挙動をするといったような極端な味付けはされていないため、基本的には構えたときの見た目など好みで選んでOK。打感は適度に芯を感じられ、転がりの良さも感じられます。もっとも印象に残ったのはやはりスパイダーのヘッドをさらに後ろに伸ばしたような『ハーウッド』でしょうか。アッパーに打とうとすると地面にこすれそうなくらい大きくて、めちゃくちゃオートマチックでブレないヘッドでした」(中村)
ちなみにハーウッド以外の10モデルは4万700円(税込)、ハーウッドは5万6100円(税込)となっている。発売日は4月9日だ。
渋野日向子や鈴木愛といった契約選手の使用があるかどうかも含め、引き続き注目したいパターと言えそうだ。