続々と登場する2021年モデルのニューアイアン。買い替えるなら自分にピタリと合うモデルを選びたいところ。そこで、東京・二子玉川にあるフィッティングスタジオ「ゴルファーズメディアラボ」の店長、佐野好太氏に球筋別のオススメモデルを挙げてもらった。

ドローヒッターには「APEX」と「P790」がオススメ

まず、目標方向より右側へ打ち出して左へ戻ってくるドローボールを打ちたいゴルファーがアイアンを選ぶ際は「少し重心距離が長いタイプで直進性を重視していきたい所。ただし、ロフトが立ち過ぎたクラブでは球が止まりづらいので打ち出しの高さに注意が必要ですね」と佐野氏はいう。

重心距離が長い=引っかけが出にくいということ。また、ドローヒッターは弾道が強くなりやすい傾向があるため、ストロングロフトがきつくない、ある程度ロフトが寝たアイアンのほうがボールの止めやすさが担保されるということだ。

ではズバリ、どのモデルがオススメなのだろうか。佐野氏が挙げたのはキャロウェイ「APEX」とテーラーメイド「P790」の2モデルだ。ともに7番アイアンのロフトが30.5度と、いまどきのアイアンとしてはロフトが立っていない。

画像: キャロウェイ「APEXアイアン」

キャロウェイ「APEXアイアン」

「『APEX』の2021年モデルは内部にタングステンウェートを入れて、番手ごとに最適な重心高さに調整されています。従来のアイアンらしい形状を維持しつつ、ボールの上がりやすさや直進性、寛容性を高めているのがポイント」

そして、同じようなタイプとして「テーラーメイド『P790』もオススメです」と佐野氏は言う。

「P790もヘッド内部にタングステンウェートが入っていて、重心位置を低くすることで高弾道と高い寛容性を生み出している中空アイアンです。APEXと打ち比べて、打感や顔の好みで選択すると良いでしょう」

画像: テーラーメイド「P790アイアン」

テーラーメイド「P790アイアン」

フェードヒッターには「JPX921ツアー」がオススメ

一方、目標方向より左側へ打ち出して右に戻ってくるフェードボールを打ちたいゴルファーにオススメのアイアンは「ある程度操作性のあるモデル」だと佐野氏。

「フェードヒッターはとくにダウンブローに打つ方が多い傾向があります。グースネックが強めのヘッドだと打ち出しが低くなってしまいますので、標準的なロフトでストレートタイプのヘッドが良いと言えますね。しっかりとフェースを返したいので、操作性重視のヘッドをオススメします」

フェードヒッターはボールをつかまえやすいヘッドのほうが安心してフェードを打っていきやすい。そのため、重心距離が短い=ヘッドがターンしやすいヘッドがおすすめということにある。佐野氏は条件に当てはまるモデルとしてミズノ「JPX921ツアー」を挙げた。ちなみにロフトは7番で34度と、最近のアイアンではかなり寝ている部類だ。

画像: ミズノ「JPX921ツアーアイアン」

ミズノ「JPX921ツアーアイアン」

「前作の919ツアー同様難しそうに感じますが、JPX921ツアーは重心をやや低くしたりロングアイアンとショートアイアンでソール幅を変えるなどすることで打ちやすさがアップしています。何よりも抜けと打感は最高で、フェードコントロールのイメージが出やすいクラブに仕上がっていますね」

アイアン、そしてドライバーにも共通する点として佐野氏は「今はドローヒッターはオートマチックに真っすぐ飛ばせるクラブ、フェードヒッターはコントロールして打てるクラブが合いやすい」と話す。

また、ひと昔前はドローが飛ぶ、もしくは上級者というイメージもあったが、それも過去の話。「ドロー・フェードのどちらで打っても飛距離については遜色ないような時代に変化しています」という。

近年はギアの進化に合わせてスウィングの仕方にも変化が生じつつあるが、それに合わせて「クラブ選びも複雑になっています」と佐野氏。自分にピッタリのモデルを見つけるためには、佐野氏が教えてくれたオススメヘッドを「いろんなカスタムシャフトで試打してみてほしい」と話す。

「ヘッドの性能はもちろんですが、シャフトとの組み合わせも重要です。毎年お店には最新のシャフトが入った新しいクラブが並んでいますが、限られた選択肢から購入して『スウィングをクラブに合わせている』方も少なくありません。ヘッドもシャフトもしっかりと合わせて自分のスウィングを変えることなくナイスショットを目指してくださいね」

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